2008 Fiscal Year Annual Research Report
家族性パーキンソン病発症メカニズムを規範とした孤発性パーキンソン病発症機構解析
Project/Area Number |
20390040
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
太田 茂 Hiroshima University, 医歯薬学総合研究科, 教授 (60160503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古武 弥一郎 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 講師 (20335649)
杉原 数美 広島大学, 医歯薬学総合研究科, 准教授 (20271067)
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Keywords | パーキンソン病 / β-チューブリン / ユビキチン化 |
Research Abstract |
家族性パーキンソン病の原因として、チューブリンをユビキチン化する酵素の遺伝的機能不全が報告されている。本研究の目的は、孤発性パーキンソン病患者脳脊髄液で増加する1BnTIQによるチューブリンのユビキチン化阻害現象を明らかにし、1BnTIQのような環境因子によるチューブリンのユビキチン化阻害がドパミン神経に及ぼす影響と、パーキンソン病発症との関連について調べることである。 平成20年度においては、光親和性標識プローブを用いて1BIQ結合タンパクの検索を行った。得られたタンパク質群をSDS-PAGEにて泳動しPVDF膜に転写させ蛍光検出を行ったところ、50kDa付近に強い蛍光バンドが確認された。またこのシグナルは1BnTIQを蛍光プローブと同時にインキュベートすることにより消失し、タンパク質に結合していないバンドが検出された。したがって、本結合タンク質は1BnTIQを認識することが示唆された。 さらに2次元電気泳動で分離同定を行い、検出されたスポットのうち最も強い蛍光スポットをMALDl-TOF massで解析したところβ-tubulinであった。 近年、ユビキチン連結酵素の一種であるparkinが脳内でβ-tubulinに結合していることが知られている。1BnTIQがβ-tubulinに結合することでparkin変異と同じ現象であるユビキチン化異常がおこるのではないかと予想し、ユビキチン化されたβ-tubulinの検出を行った。 ヒト神経芽細胞腫SH-SY5Yにおいて1BnTIQを48時間で暴露後、モノクロナール抗β-tubulin抗体で免疫沈降し、抗ユビキチン抗体でウエスタンブロットを行うことでポリユビキチン化されたβ-tubulinの検出を行った。その結果、1BnTIQ暴露によるポリユビキチン化されたβ-tubulinの減少も10μM 1BnTIQ48時間暴露で確認された。
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Research Products
(3 results)