2009 Fiscal Year Annual Research Report
新規脳内薬物トランスポーターの機能解析と中枢神経疾患治療への応用
Project/Area Number |
20390044
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 晶 Nagoya University, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (20419237)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
富岡 佳久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00282062)
眞野 成康 東北大学, 大学病院, 教授 (50323035)
|
Keywords | トランスポーター / 胆汁酸 / 黒質 / in silico |
Research Abstract |
昨年度は、新規に見いだしたSLC10A4が、脳局所における胆汁酸の輸送に関与することを明らかにした。本年度は、定量系開発を試みるとともに、GEO登録情報を利用したin silico解析を行った。定量系にはLC/MS/MSを用いることとして、4種のトリプシン消化ペプチド配列(1 : SLLVTLVVLF : 1102.70, 552.40[M+2H]2+→726.7, 807.4 ; 2 : QSAEAGIF : 821.39, 411.70[M+2H]2+→639.2, 657.6 ; 3 : DTPLNHGLNVF : 1225.61, 613.70[M+2H]2+→441.1, 1329.8 ; 4 : DPLDEDTDISYK : 1653.69, 827.75 M+2H)2+→441.1, 1329.8)を選択した。ISとして、GAPDHのVIPELNGKを設計した。はじめにLC条件を検討し、標品ペプチドを用いて1fmol~10pmolまでの検量線を作成した。続いて、試料の前処理方法(SDS補助消化法、MeOH補助消化法、ゲル内消化法、チューブゲル消化法、in-solution法、modified in-solution法、stage-tip法)について種々検討した結果、modified in-solution法を基本とすることとした。しかしながら、回収率に問題があることから、ペプチド修飾化蛋白質をISとする新規測定法の検討を行っている。in silicoによる機能解析も有用であることが知られてきたが、SLC10A4の発現プロファイル情報は、NCBIのGEOに443登録されていた。その中で注目するべき情報として、パーキンソン病患者剖検脳の黒質(PD)プロファイル(GDS2821)およびハンチントン病患者血液試料プロファイル(GDS1332)から、slc10a4発現が発症により減少傾向にあることを確認した。 以上の結果は、今後のSLC10A4の機能解析に有用なツールとなるものと考える。
|
Research Products
(3 results)