2011 Fiscal Year Annual Research Report
細胞周期およびストレス応答における脂質性情報伝達物質代謝酵素の役割
Project/Area Number |
20390050
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
後藤 薫 山形大学, 医学部, 教授 (30234975)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊関 憲 山形大学, 医学部, 准教授 (70332921)
八月朔日 泰和 山形大学, 医学部, 准教授 (00372334)
岡田 雅司 山形大学, 医学部, 講師 (70512614)
田中 俊昭 山形大学, 医学部, 助教 (70536987)
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Keywords | ストレス応答 / アポトーシス / p53 / 脂質代謝酵素 / 核 / プロテアソーム / イノシトールリン脂質 / がん細胞 |
Research Abstract |
ジアシルグリセロールキナーゼ(DGK)はプロテインキナーゼCの生理的活性調節因子と考えられ近年、その機能的役割として癌や細胞死のシグナル伝達への関与が注目されている。これまで我々は、DGKアイソザイムのうちζ型DGKが核移行シグナルを有し核内に局在すること、そしてラット脳虚血実験にて海馬錐体ニューロンの核内から細胞質へ移行しアポトーシスの初期過程に関わる可能性があることを明らかにしてきた。またζ型DGKが、癌抑制因子としてよく知られDNA損傷に応答してアポトーシスを誘導する転写因子p53と結合するという知見を得ている。HeLa細胞をDNA損傷因子であるDoxorubicinで処理するとp53タンパクが核内に増加し細胞死が誘導されるが、本研究ではこの細胞実験系を用いて、核局在型DGKζおよび細胞質局在型DGKζがp53の発現局在にどのような影響を及ぼすかについて検討を行った。 本年度は、細胞質型DGKζによるp53タンパク発現誘導の抑制が、核内に局在する野生型DGKζとDGKζ結合蛋白として同定されたNAP1L1/4の共発現により再現されることを見出した。これは、NAP1L1/4が、DGKζの核移行シグナルと結合してその核移行を抑制し細胞質に係留することにより、細胞質型DGKζの効果を発揮させることによるものと考えられた。さらに、ルシフェラーゼアッセイ法を用いた解析の結果、DGKζをノックダウンすることにより、p53転写活性が抑制されることを見出した。この時、p53応答遺伝子であるp21やBaxなどの蛋白発現も抑制されることを明らかにした。以上の結果から、DGKζは細胞質および核内の両コンパートメントにおいて、p53の制御に関わっている可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Reason
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)