2008 Fiscal Year Annual Research Report
食餌同期性概日リズムを刻む視床下部背内側核ニューロンの機能解析
Project/Area Number |
20390056
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
三枝 理博 Kanazawa University, 医学系, 准教授 (20296552)
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Keywords | 概日リズム / 摂食 / 視床下部 / マウス / ニューロン |
Research Abstract |
全ての哺乳動物は、様々な行動パターンを約24時間周期で制御する生物時計を持っている。マウスなど夜行性の動物では、常に餌がある状態では視床下部視交叉上核(SCN)の生物時計によって、主に夜に活動・摂食するように支配される。しかし、餌が昼間の一定時間でのみ得られる環境下では、給餌前数時間にわたり食物探索行動を示し、給餌時間内に十分量摂食するように順応する。この食餌同期性概日行動リズムはSCNとは別の生物時計(食餌同期性クロック)によって制御される。食餌同期性クロックがどこにあるのか長い間明らかでなかったが、我々は視床下部背内側核(DMH)がその有力な候補であることを見いだした。食餌同期性クロックは環境、生活習慣への適応、不適応のメカニズムを理解する上で重要であると考え、本研究では我々が見いだしたDMH食餌同期性クロック(DOMFEC)ニューロンを突破口とし、食餌同期性概日リズム制御の神経メカニズムを明らかにすることを目的として研究を行っている。 時計遺伝子BMAL1をDOMFECニューロンで特異的に欠損したマウスをこれまでに作成した。DOMFECニューロンにおける分子時計機構が機能しないと考えられるので、今後これらのマウスにおける食餌同期性概日リズムを調べ、DMHが食餌同期性クロックとして機能することを検証する。また、Creリコンビナーゼ依存的に神経軸索トレーサーを発現する組換えアデノ随伴ウィルスを作成し、DOMFECニューロンを特異的にラベルする方法を確立した。予備的な実験によるとDOMFECニューロンの投射はDMH内に留まっており、局所的な神経回路を形成していることが示唆された。今後同様の方法を用いて、DOMFECニューロンの上流・下流ニューロンを同定していく。
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