2009 Fiscal Year Annual Research Report
マウス体内時計への同調因子としての朝ご飯(ブレイクファスト)の役割解明
Project/Area Number |
20390065
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
柴田 重信 Waseda University, 理工学術院, 教授 (10162629)
|
Keywords | 体内時計 / 栄養 / 時間栄養学 / 時計遺伝子 / 朝食 / 絶食 |
Research Abstract |
早寝早起き朝ごはん」という標語に代表されるように、朝ごはんは生活リズムを整えるために重要な習慣である。しかしながら、科学的根拠を聞かれるとそのサイエンスとしての答えはほとんど出せないし、「遅寝遅起き晩ごはん」がダメな理由はなにかと聞かれると、これも答えに窮する。本研究は「朝ごはん=ブレイクファスト(絶食を破る)」のサイエンスとしての位置づけをマウスの体内時計の観点から、分子生物学的、行動生理学的に調べることを研究目的とする。ブレイクファストは時刻情報としての重要性とともに、栄養生理学的な観点からも追求していく。本年度はマウスに長時間絶食後(16時間)に餌を与える朝ご飯と、短時間絶食後(8時間)に餌を与える夕ご飯の1日2食の食事で、いずれの食事が肝臓の時計遺伝子発現に同調効果をもたらすかを調べた。その結果、16時間絶食後の食事の刺激に同調することが分かった。次のそのメカニズムを調べるために、朝ご飯と夕ご飯を摂餌後、4時間が経過した後に、肝臓を取り出し、そこに発現する時計遺伝子を調べた。その結果、まず長時間絶食により、Per2,Dec1,Bmal1遺伝子発現が抑制され、餌の摂取によりその抑制が解かれることが分かった。おもしろいことに、長時間絶食後の食事は短時間絶食後の食事より有意にPer2,Bmal1の発現増大が観察された。以上の結果、長時間絶食の食事が、より時計遺伝子発現を引き起こし、このことが体内時計をリセットさせる可能性が示唆された。また、48時間と24時間の絶食の後、餌を与え血中のグルコースを調べると、48時間絶食群のマウスの方が、グルコースの増大が大きく、この一過性のグルコース増大が先の時計遺伝子発現引き金になっている可能性が強く示唆された。
|
Research Products
(5 results)