2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390067
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桜井 武 Kanazawa University, 医学系, 教授 (60251055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 章弘 大学共同利用法人・自然科学研究機構, 生理学研究所・細胞生理研究部門, 准教授 (60323292)
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Keywords | オレキシン / 睡眠 / 覚醒 / BRS-3b / ニューロテンシン / GABA / GABA |
Research Abstract |
本年度は、オレキシン産生ニューロンの制御機構について解析を進めるとともに、その生理的役割を解明すべく研究を進めた。まず、ニューロテンシンによるオレキシン産生神経の活性化機構にNTSR2とTRPチャネルが関与することを明らかにし、また、このシステムがオレキシン産生神経の生理的な活性維持に重要な役割をしていることを、オレキシン欠損マウスおよびニューロテンシン拮抗薬をもちいた実験により明らかにした。また、ニューロテンシンは、オレキシン産生神経に共局在しており、オートクリン的に働いている可能性が明らかになった。この研究は現在投稿中である。一方、オレキシン産生神経にオーファン受容体、BRS-3が発現していることを明らかにし、BRS-3の人工リガンドがオレキシン産生神経を直接には活性化し、間接的にはGABA作動性インターニューロンを介して抑制することを明らかにした。また、昨年度のGABAb受容体に引き続き、オレキシン産生神経に発現する様々な受容体の生理的機能の解明を進めてきた。本年度はセロトニンの重要性を検討するための実験を行った。われわれはすでにオレキシン産生神経に5HT1A受容体が発現しており、セロトニンによって強力に抑制されることや、縫線核のセロトニン作動性神経からオレキシン産生神経への入力があることを見いだしているが、本年度は、オレキシン産生神経における5HT1A受容体の機能を調べるため、5HT1A受容体遺伝子floxマウスを作成した。すでに確立してあるオレキシン産生神経に特異的にCre組み換え酵素を発現させたマウスと交配させ、オレキシン産生神経特異的に5HT1A受容体が欠損するマウスの作成に成功した。現在、このマウスの解析を進めている。
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