2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390067
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
桜井 武 金沢大学, 医学系, 教授 (60251055)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山中 章弘 大学共同利用法人・自然科学研究機構, 生理学研究所・細胞生理研究部門, 准教授 (60323292)
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Keywords | オレキシン / 睡眠 / 覚醒 / 遺伝薬理学 |
Research Abstract |
(1)オレキシンニューロンの制御機構を解析するなかで、オーファン受容体BRS3に対するスロゲート・リガンドがオレキシンニューロンを活性化することを見いだし、オレキシンニューロンにBRS3が発現していることを組織学的に見いだした。このことにより、BRS3によるオレキシンニューロンの制御が存在することが確認されたが、生理学的意義を解明するためにはBRS3の内因性リガンドの同定が不可欠であり今後の研究が必要である。 (2)オレキシンを恒常的に脳内で過剰発現させたマウスがノンレム睡眠の分断化や、レム睡眠中の異常な筋収縮など、睡眠障害を呈することが明らかになった。このことから、オレキシン系の機能亢進が、中途覚醒を主体とする不眠症の原因になりうることが明らかになった。現在、オレキシン拮抗薬が不眠症治療薬として期待されており、オレキシン過剰の睡眠に対する影響を明らかにした学問的意義ならびに臨床的意義は大きい。 (3)オレキシンニューロンの活動を刺激、あるいは抑制すると動物の睡眠・覚醒状態にどのような影響を及ぼすかをあきらかにするため、Exclusively Activated by Designer Drugs(DREADD)を初年度に確立したorexin-Creマウスに使い、薬理遺伝学的にオレキシンニューロンを活性化、または抑制し、その睡眠・覚醒状態にあたえる影響を検討した。オレキシンニューロンの活性化により覚醒時間が延長し、逆に抑制により覚醒時間が短縮し、ノンレムおよびレム睡眠が増えることが明らかになった。このことによりわれわれがこれまで検討してきたオレキシンニューロンの活動に影響を与える因子が実際にオレキシンニューロンを介して睡眠・覚醒に影響を与えている可能性が示唆された。 (4)オレキシンニューロン特異的に5HTIA受容体を欠損させたマウスが完成し、睡眠異常に関して検討中である。
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Research Products
(24 results)