2009 Fiscal Year Annual Research Report
受容体作動性Caイオン流入機構の分子メカニズムと中枢神経伝達物質遊離機序
Project/Area Number |
20390068
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
村松 郁延 University of Fukui, 医学部, 教授 (10111965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森島 繁 福井大学, 医学部, 准教授 (50290911)
鈴木 史子 福井大学, 医学部, 助教 (80291376)
西宗 敦史 福井大学, 医学部, 助教 (40311310)
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Keywords | alpha 1A-アドレナリン受容体 / 受容体作動性Ca^<2+>イオン流入 / 神経伝達物質遊離 |
Research Abstract |
G_<q/11>タンパクにカップルする受容体(GqPCR)は、刺激されると2つの異なる機序(細胞内からの遊離と細胞外からの流入)により細胞内Ca^<2+>イオン濃度を上昇させる。前者の機序としては、小胞体に存在するIP3受容体が二次的に刺激されて貯蔵されていたCa^<2+>イオンが遊離する機序が考えられる。後者は、受容体作動性Ca^<2+>チャネル(Receptor-Operated Ca^<2+> Channel, ROC)が活性化された結果、細胞外からのCa^<2+>イオン流入が考えられている。我々は、GqPCRの代表的受容体であるalpha 1A-アドレナリン受容体(alpha 1A-AR)を用いて、上記Ca^<2+>イオン機構を解析した。その結果、alpha 1A-ARと相互作用するsnapinを同定し、この両タンパク質がROCの本体であるTRPC channelと複合体を形成してCa^<2+>イオン流入を惹起していることを明らかにした。また、PC12細胞を用いた実験で、内在性dopamine遊離が、細胞内Ca^<2+>イオンだけでなく、ROCを介した流入したCa^<2+>イオンによっても惹起されることを明らかにした。そして、この遊離はsnapinを過剰発現することにより増加し、この増加作用は、先に観察していたROCを介するCa^<2+>イオン流入の増加と関連することを証明した。今後は、ROCを介したCa^<2+>イオン流入による伝達物質遊離が、生体レベルでも惹起されるか検討を加える。
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Research Products
(12 results)