2009 Fiscal Year Annual Research Report
神経細胞死をターゲットとした神経変性疾患治療法の開発
Project/Area Number |
20390072
|
Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
松岡 正明 Tokyo Medical University, 医学部, 教授 (70222297)
|
Keywords | アルツハイマー病 / ALS / 神経細胞死 / ヒューマニン / TGFbeta2 |
Research Abstract |
アルツハイマー病(AD)および筋萎縮性側索硬化症(ALS)を対象疾患とし、1)神経細胞死機序解明の基礎研究と2)内在性神経細胞死抑制因子の基礎研究/前臨床試験研究の2年目を行った。 1.TGFβ2説におけるPS1/PS2の役割の検討。PS1/PS2はTGFβ2/APP/JNK細胞死シグナル伝達系に必須である。PSと結合するMOCAはTGFβ2/APP/JNKシグナル伝達系およびmutant PS1やPS2によって引き起こされる細胞死経路を結びつけるキー分子であることを明らかにした。また、TAG-1がTGFβ2とAPPの結合を競合阻害する機能を持つことを示した。2.ヒューマニン(HN)様分子EHの機能解析。HNと類似の活性を示す分子EHがHN受容体を介してAD神経細胞死を抑制し、その活性はHNよりも遥かに強力であることを示した。またAD動物モデルの認知症状を改善することを発見した。3.HN作用を有する小分子のスクリーニング。活性の強いHN様小分子はin vitro構成系で、HNと同様にCNTFR/WSX-1/gp130の3量体を誘導することをしめした。4.HNの前臨床試験。(A)Colivelinの経鼻投与でcolivelin-biotinが脳内移行することをELISAを用いて示した。(B)染色体異常試験でcolivelinは陰性であることを示した。5.ALS発症機序解明研究。ER stress存在下では、ALSの多くで封入体の成分として同定されたTDP-43の分解がおこることを初めて発見した。また、この分解によってTDP-43の運動神経細胞死が抑制されることを示した。また、我々が発見したAKT3結合因子BTBD10のC.elegansホモローグをノックアウトするとpatch神経細胞死が誘導されることを発見した。
|