2010 Fiscal Year Annual Research Report
Met/HGF受容体シグナル伝達能のON-OFF制御を介した組織再生制御の研究
Project/Area Number |
20390077
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
松本 邦夫 金沢大学, がん研究所, 教授 (90201780)
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Keywords | HGF / Met / 組織再生 / シグナル伝達 / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
細胞増殖因子は組織再生を担うことから、そのシグナル制御の理解と応用は再生医療の基盤となる。組織再生に関与するシグナル系において、とりわけ、なぜ再生組織が適切な大きさや形をもって再生を完了するかは謎である。HGF-Met系は組織の再生・修復を担っているが、無傷の組織ではHGFのレベルによらずMet受容体はOFFに抑制されている。そのメカニズムとしてMet受容体juxtamembrane(JM)領域とJM領域内にあるMet-Ser985のリン酸化に着目した。本研究はJM領域を介したMet抑制機能と生理的意義を明らかにすることを目的としている。本年度は以下の研究成果を得た。 1. JM領域の生理的役割を調べるために作成した△JM-Metマウスは、臓器形成不全により胎生致死あるいは生後まもなく死亡した。詳しい解析の結果、JM欠損遺伝子への改変によってMetの遺伝子発現レベルが強く抑制され、HGF-Metシグナルの全身的低下に起因すると考えられた。JM領域欠失Met発現マウス作成のため遺伝子改変用ベクターに工夫が必要であることがわかった。 2. 初代培養肝細胞において、Met-Ser985のリン酸化を誘導した状態では、HGFによるMet活性化が抑制され、HGFによる増殖促進作用は抑制された。このとき、Ser985がリン酸化されたMetはエンドサイトーシスによって細胞表面から消失することを明らかにした。JX領域Ser985リン酸化はMet受容体の局在を制御することによってHGF依存的Met活性化の制御に関与すると考えられた。 3. CCI4による肝傷害によってSer985の脱リン酸化が引き起こされ、それと相反的にMetチロシンリン酸化が増加する一方、再生の完了に向かってSer985リン酸化が上昇した。Met-Ser985制御によるMet局在制御が再生の制御に関与することが示唆された。
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[Journal Article] Induction of donor-specific tolerance using superagonistic CD28 antibody in rat renal allografts : Regulatory T-cell expansion before engraftment may be important.2011
Author(s)
Azuma H, Isaka Y, Nomi H, Inamoto T, Li XK, Hounig T, Takabatake Y, Ichimaru N, Ibuki N, Matsumoto K, Ubai T, Katsuoka Y, Takahara S.
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Journal Title
Transplantation
Volume: 90
Pages: 1328-1335
Peer Reviewed
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