2008 Fiscal Year Annual Research Report
低分子量G蛋白質のクロストークを仲介するRap1活性化因子の機能解析
Project/Area Number |
20390080
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
片岡 徹 Kobe University, 大学院・医学研究科, 教授 (40144472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 孝哉 神戸大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (20251655)
島 扶美 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助教 (60335445)
枝松 裕紀 神戸大学, 大学院・医学研究科, 助教 (70335438)
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Keywords | 低分子量G蛋白質 / Rapl / グアニンヌクレオチド交換因子 / ノックアウトマウス / 神経細胞移動 / 帯状異所性灰白質症 / 血管形成 / 癲癇 |
Research Abstract |
1,RA-GEF-1の神経細胞における機能を解析した。R.A-GEF-1^<flox/flox>マウスをEmx1-oreマウスと交配して、RA-GEF-1終脳特異的ノックアウトマウスを作製した。このマウスは一見正常に発育するが、脳の組織学的解析により、正常な6層構造を持つ大脳皮質の下に、層構造を失った神経細胞塊(異所性皮質下塊)を持ち、ヒトの神経細胞移動異常疾患の一つである帯状異所性灰白質症(Subcor tical band heterotopia)と酷似していた。逆行性トレーシングにより、異所性皮質塊の神経細胞では、皮質脊髄路、皮質視床路等の神経結合は保たれていることがわかった。更に、このマウスは、前交連や脳梁の欠損、側脳室の拡大、海馬の構造異常を示した。また、このマウスは、ピロカルピン誘発性癩〓モデルにおいて感受性亢進を示した。よって、RA-GEF-1終脳特異的ノックアウトマウスは、ヒト帯状異所性灰白質症のよいモデル動物となることが判明した。これらの結果は、低分子量G蛋白質Rap1、並びに、その活性調節因子RA-GEF-1の発生過程での神経細胞移動における重要な役割を初めて証明した。 2,RA-GEF-1が血管(脈管)形成に働く機構を解析した。RA-GEF-1ノックアウトマウスの胎生8.5日の胎児から単離した尿膜嚢の器官培養やOP9細胞上での血管内皮細胞培養により、RA-GEF-1によるRap1活性化がVEカドヘリンの発現誘導を介して血管内皮細胞の接着を促進し、血管(脈管)形成を誘導するという機構が示唆された。ES細胞の血管内皮細胞への分化系を用いた実験はうまくいかなかった。 3,PA-GEF-1^<flox/flox>マウスとRA-GEF-2ノックアウトマウスを交配し、RA-GEF-1^<flox/flox>; RA-GEF-2^<-/->マウスを作製し、表現型を解析した。
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