2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390086
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中邨 智之 関西医科大学, 医学部, 教授 (20362527)
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Keywords | 弾性線維 / ミクロフィブリル / 細胞外マトリックス |
Research Abstract |
弾性線維は、伸び縮みする臓器・組織(動脈・肺・皮膚など)に多くあって、その弾性を担っている。老化による動脈中膜の硬化、肺気腫、皮膚のたるみなどは弾性線維の劣化・断裂によるものであり、弾性線維再生に向けて弾性線維形成機構の解明は重要な課題である。申請者は弾性線維形成に必須のインテグリンリガンド、fibulin-5(DANCEともいう)を発見した。fibulin-5遺伝子欠損マウスは、全身の弾性線維形成異常のため、皮膚のたるみ、肺気腫、動脈の硬化など、ヒトの老化によく似た表現型を示した。本研究ではfibulin-5以外の弾性線維形成因子の同定とその機能解明を目的としている。本年度はLTBP-2 (Latent TGFβ-binding Protein-2)という細胞外マトリックスタンパク質の機能解明に進展があった。 LTBP-2遺伝子欠損マウスは胎生早期致死と報告されていたが、最近ヒトLTBP-2遺伝子欠損患者に緑内障と水晶体脱臼がおこることが相次いで報告された。我々はLTBP-2遺伝子欠損マウスを新たに作成し、これらが正常に成長すること、緑内障にはならないが水晶体脱臼を来すことを見出した。水晶体脱臼の原因は、水晶体を支える毛様小帯(チン氏帯)の形成不全によるものであった。毛様小帯はミクロフィブリルでできている組織で、LTBP-2はミクロフィブリルの形成に必須の役割を果たしていることが明らかとなった。
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Research Products
(13 results)