2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390092
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
門松 健治 Nagoya University, 医学系研究科, 教授 (80204519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武井 佳史 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (70362233)
松山 幸弘 名古屋大学, 医学系研究科, 准教授 (20312316)
岸田 聡 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (20402563)
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Keywords | プロテオグリカン / ケラタン硫酸 / コンドロイチン硫酸 / グリコサミノグリカン / ミッドカイン |
Research Abstract |
神経損傷に際して神経軸索再生に対する最も強い阻害分子としてこれまでコンドロイチン硫酸プロテオグリカン(CSPG)が注目されてきた。しかしながらこれらの抑制機構の解明は十分でなく、故に実際に神経再生医療の現状は理想に程遠い。本研究はプロテオグリカンの長大な糖鎖であるグリコサミノグリカン(GAG)のうち、これまで我々が明らかにしてきたケラタン硫酸(KS)の機能をin vivoで解析し、さらにその作用機構の解明を目指す。さらに神経軸索再生を促進する因子として特に成長因子に光を当て、損傷後の軸索再生をより総合的に理解することを目指す。我々はN-acetylgucosamine 6-O-sulfotransferase(GlcNAc6ST)-1の欠損マウスの脳内の高硫酸化KSの発現がないことを明らかにした。そして、グリア性瘢痕形成、軸索再生阻害、脊髄損傷後の運動機能障害へのKSの関与を明らかにした。さらに、野生型ラットを用いて、脊髄損傷に対してKSを消化する酵素が運動機能のみならず感覚機能も改善させることを明らかにした。また、CS分解酵素とKS分解酵素の効果はin vitro、in vivoともに同等であり、両者の組み合わせが相加相乗効果をもたらさないことを明らかにした。我々の結果はKS/CSPGが神経軸索再生阻害の本体であり、糖鎖(グリコサミノグリカン鎖)の立体配置が重要であることを示唆している。また、さらにKS分解酵素が成体ラットに元来起きない神経可塑性を引き起こすことを見出しつつある。一方、成長因子ミッドカインの損傷後機能回復における機能についても脊髄損傷モデルを用いて解析を進めている。
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