2010 Fiscal Year Annual Research Report
EMT(上皮間葉転換)解析を通した器官発生-癌転移のフロンティア研究
Project/Area Number |
20390096
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山田 源 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (80174712)
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Keywords | 遺伝子 / 発生・分化 / 泌尿生殖系 / 上皮間葉転換 / 癌 / 細胞増殖因子 |
Research Abstract |
子宮や前立腺等を含めた泌尿生殖系器官の形成過程に重要である細胞増殖因子群が、器官過形成や細胞増殖制御の破綻プロセスにいかに関与しているか解析した。我々はこれまでBmp(骨形成因子)シグナルが外部生殖器や泌尿生殖系器官形成に重要である事をBmpレセプターのコンディショナルノックアウトマウスを用い明らかにした。前立腺においては、Bmpシグナルが分岐過程に重要である事が知られていたが、今回我々ミュータント解析によって、上皮におけるBmpシグナル遮断が前立腺過形成につながることが明らかとなった。胎生末期から生後にかけてBmpシグナルを上皮において遮断すると前立腺過形成、さらに分泌機能異常が起こる。それらのミュータントについて過形成状態からさらにPIN、前立腺癌に至るのかについて解明を加えつつある。また、我々の解析で、Wnt/βカテニンシグナルが外生殖器や生殖器官形成に重要であることが明らかとなっていた。今回、同シグナルの異常、亢進が子宮内膜において重要な疾患である子宮内膜過形成につながることが明らかとなった。これら病態が起こる際の下流遺伝子変動について解析を加え、腺形成に重要な転写因子群などの候補遺伝子が同定された。これらの知見から、ミューラー管の形成や子宮形成等の発生時のみならず、子宮腺過形成や子宮がんの基盤となる病態においてもWnt/βカテニンシグナル、及び下流遺伝子の関与が明らかとなった。以上の様な細胞増殖因子系について発生過程、並びに過形成、発癌の基盤過程における関与を示すことができた。
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[Presentation] Reproductive organ formation.2010
Author(s)
Gen Yamada
Organizer
Developmental Mechanism and Disease-joint meeting of Dev.Dyn.and SIBCB
Place of Presentation
Shanghai Institute for Biological Sciences Shanghai, China
Year and Date
2010-06-18