2008 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復経路による遺伝性小頭症の病因遺伝子の探索
Project/Area Number |
20390100
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
泉 秀樹 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 助教 (10397987)
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Keywords | DNA修復 / 小頭症 / 遺伝病 / 変異 / 染色体 |
Research Abstract |
セッケル症候群は、出生前からの成長障害と重度小頭症・均整のとれた小人症・後退した前額と下顎・額から続く高い曲がった鼻による鳥様顔貌・重度精神遅滞を特徴とする常染色体劣性遺伝病である。これまでに世界で約100例、国内で10数例が知られている。本疾患は遺伝的異質性が知られており、一部の症例で沼解遺伝子やPCNT遺伝子に変異が同定された。本研究では、セッケル症候群の病因遺伝子をDNA修復経路上の分子から探索・同定することを目的としている。 我々はこれまでに日本人セッケル症候群10例のサンプルを収集して、その病因解明を試みた。10例中2例にMRE11遺伝子変異を同定した。患者細胞はいずれもMre11タンパク質の発現が著明に低下し、Nbs1とRad50の発現量も低下して放射線致死高感受性と染色体脆弱性を示した。さらに、解析した患者細胞はすべて中心体数が増加しており、中心体複製異常も示唆された。MRE11遺伝子はこれまで毛細血管拡張性運動失調症様疾患(ATLD)の原因遺伝子として知られていたが、セッケル症候群の原因遺伝子でもあることが明らかとなった。さらに10例中2例にPCNT遺伝子変異を同定した。患者細胞にUVを照射後、分裂指数を解析したところ、M期細胞数の抑制が起こらないことがわかり、ATRシグナル伝達系の異常が示唆された。さらに細胞周期の解析から、患者細胞はG1期停止状態にあることが示された。
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Research Products
(4 results)