2009 Fiscal Year Annual Research Report
DNA修復経路による遺伝性小頭症の病因遺伝子の探索
Project/Area Number |
20390100
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
松浦 伸也 Hiroshima University, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (90274133)
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Keywords | DNA修復 / 小頭症 / 遺伝病 / 変異 / 染色体 |
Research Abstract |
セッケル症候群は、出生前からの成長障害と重度小頭症・均整のとれた小人症・後退した前額と下顎・額から続く高い曲がった鼻による鳥様顔貌・重度精神遅滞を特徴とする常染色体劣性遺伝病である。これまでに世界で約100例、国内で10数例が知られている。本疾患は遺伝的異質性が知られており、一部の症例でATR遺伝子やPCNT遺伝子に変異が同定された。本研究では、セッケル症候群の病因遺伝子をDNA修復経路上の分子から探索・同定することを目的としている。 我々はこれまでに日本人セッケル症候群の2例にMRE11遺伝子のスプライス変異を同定した。MRE11遺伝子は毛細血管拡張性運動失調症様疾患(ATLD)の原因遺伝子として知られていたが、患者はいずれも運動失調症を認めない代わりに小頭症を呈していた。小頭症発症のメカニズムを明らかにするために、患者細胞のATM活性を検討したところ、患者細胞はATM依存性のアポトーシス実行能力がATLDに比べて高いことが判明した。この結果から2例の患者は発生初期に神経細胞でアポトーシスが亢進していたために神経細胞数が十分増えることが出来ず、その結果として小頭症を発症したことが考えられた。
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Research Products
(5 results)