2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390102
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
浅田 祐士郎 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (70202588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (90347055)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 助教 (90372797)
今村 卓郎 宮崎大学, 医学部, 講師 (60203329)
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Keywords | アテローム血栓症 / 冠動脈アテレクトミー / 酸化ストレス / 血小板 / 凝固線溶系 |
Research Abstract |
アテローム血栓症は動脈硬化性プラークの破綻を契機に形成された血栓が、動脈を閉塞することにより発症すゐ。しかしプラーク破綻部の血栓がすべて血管内腔を塞ぐような大きな血栓ではなく、むしろ無症候性のプラーク破綻の頻度が高い。このためアテローム血栓症の発症機序の解明には、プラーク破綻後の血栓の形成機構の解明が重要である。本研究では、プラーク破綻と血栓の成長機構を検討した。 1)無症候性のプラーク破綻の頻度:臨床現場や剖検症例において無症候性のプラーク破綻はしばしば観察されるが、その頻度は不明である。非冠動脈疾患の剖検症例100例を用いて、冠動脈を詳細に観察し、プラーク破綻と血栓形成の頻度を検討し、血栓を伴う無症候性のプラーク破綻が約10%の症例に発症していることを明らかにした。 2)血栓の成長に及ぼすADAMTS13-VW因子の作用:血栓の形成・成長において血小板がその主役を演じるが、血小板の凝集はvov Willebrand(VW)因子の分子サイズに依存し、ADAMTS13はVW因子の分子サイズを調節する酵素である。血液フローチャンバーと動物モデルを用いて、流血下における血栓成長過程でのADAMTS13-VW因子の作用を検討し、ADAMTS13活性の低下はVW因子分子サイズの低下を抑制し、血栓形成を有意に促進することを証明した。 3)プラーク破綻に伴う血管収縮:プラーク破綻に伴う血管収縮は内腔狭窄とともに血栓成長に関与する。動物モデルを用いて、プラーク破綻部の血栓から放出される血管作動分子の作用を検討し、セロトニンがプラークを有する動脈に対して極めて強い血管収縮作用を来すとともに血栓の成長も促進することを証明した。
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Research Products
(6 results)