2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390102
|
Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
浅田 祐士郎 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (70202588)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 勇一郎 宮崎大学, 医学部, 助教 (90347055)
山下 篤 宮崎大学, 医学部, 助教 (90372797)
今村 卓郎 宮崎大学, 医学部, 准教授 (60203329)
|
Keywords | アテローム血栓症 / 冠動脈アテレクトミー / 酸化ストレス / 血小板 / 凝固線溶系 |
Research Abstract |
動脈硬化性プラーク破綻とその後の血栓形成の機構を解明する目的で、アテローム血栓症の動物モデルを作成し、病理形態学的検討を行った。 1) 狭心症患者のプラークにおける炎症性サイトカイン:プラーク破綻のおこりやすい不安定プラークにおける酸化リボ蛋白と種々の炎症性サイトカイン発現との相関を検討した。その結果、不安定プラークにおいては酸化リボ蛋白の増加に伴い、CRP,PTX3などの催炎症性サイトカイン群の発現に加えてIL-10などの炎症抑制サイトカイン群が有意に増加し、無症候性のプラーク破綻では後者の発現が高いことを明らかにした。 2) プラークの凝固活性と血栓形成の相関:プラークの凝固活性と血栓形成との関連を検討するため、プラーク内に種々の程度で組織因子を発現するアテローム血栓症の動物モデルを作成し、その破綻後の血栓の組成ならびにトロンビンの関与を検討した。その結果、プラーク破綻後の血栓形成は、血液凝固能よりもプラーク内の凝固活性により強く依存し、トロンビンを介することを明らかにした。 3) 血流変動によるプラーク破綻と血栓形成:プラーク破綻の機序のつに血流の変化が注視されているが、その機序は不明である。アテローム血栓症の動物モデルを用いて、血管狭窄に伴う急激な血流変動を誘発させることにより、プラークのびらん性破綻が発生し、その後の血栓形成に促進的に作用することをin vivoにおいて証明した。さらに血流コンピュータシュミレーションにより、壁シェアストレスの振動変化がプラーク破綻に関与することを明らかにした。
|
Research Products
(5 results)