2009 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1遺伝子(HBZ,Tax)のATLL腫瘍発生・臨床病理への関与の解明
Project/Area Number |
20390104
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大島 孝一 Kurume University, 医学部, 教授 (50203766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 保雄 久留米大学, 医学部, 教授 (80216316)
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Keywords | ウイルス / 病理学 / ATLL / HTLV-1 / 腫瘍 / HBZ |
Research Abstract |
ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)は,感染者のうち約5%にT細胞性リンパ腫である成人T細胞性白血病/リンパ腫(ATLL)を惹起することが知られている.これらの腫瘍化に関してHTLV-1のコードする調節遺伝子tax遺伝子が中心的な役割を担うと考えられてきたが,ATLLではしばしばtax遺伝子の発現が認められない.一方、プロウイルスのマイナス鎖によってコードされるHTLV-1 bZIP factor(HBZ)遺伝子が,すべてのATLL細胞で発現し増殖にかかわることを見いだされている。昨年、ヒトATLLの典型的な組織を用いHBZ-ISH(in situ hybridization)の方法論の準備を行ったが、今年度は、方法論の確立、症例の追加を行った。(1)ATLL細胞株MT1,MT2,MT4よりRNAを抽出し、RT-PCRでHBZの発現が確認した後、これらの細胞株をペレットにホルマリン固定パラッフィンブロックの材料でも、HBZに対するPNAプローブにて、ISHを行い、核内に陽性シグナルが確認できた。一方、陰性コントロールのJurkat細胞株ではシグナルはみられなかった。(2)HBZトランスジェニックマウスでも陽性シグナルの確認できた。(3)免疫不全マウス(NOD-scid/IL2r γ nullマウス)に移植したATLLのホルマリン固定パラッフィンブロック材料11検体でも陽性シグナルが確認できている。(4)16例のATLLリンパ腫でも、陽性シグナルを多くの症例で確認することができ、陰性コントロールのB細胞性リンパ腫にはシグナルはみられなかった。以上、HBZ-ISHの手法の確立し、現在、論文を製作中である。
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Research Products
(13 results)
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[Journal Article]2009
Author(s)
大島孝一、新野大介
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Journal Title
WHO分類第4版による白血病・悪性リンパ系腫瘍の病態学(押味和夫 木崎昌弘 田丸淳一編)(中外医学社)
Pages: 250-268