2010 Fiscal Year Annual Research Report
HTLV-1遺伝子(HBZ,Tax)のATLL腫瘍発生・臨床病理への関与の解明
Project/Area Number |
20390104
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
大島 孝一 久留米大学, 医学部, 教授 (50203766)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 保雄 久留米大学, 医学部, 教授 (80216316)
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Keywords | ウイルス / 病理学 / ATLL / HTLV-I / 腫瘍 / HBZ |
Research Abstract |
成人T細胞性白血病/リンパ腫(adult T cell leukemia/lymphoma, ATLL)は、ヒトT細胞白血病ウイルス1型(HTLV-1)に関連したT細胞性腫瘍である。HTLV-1のコードする調節遺伝子tax遺伝子が中心的な役割を担うと考えられてきた.しかし,ATLLではしばしばtax遺伝子の発現が認められない.一方、プロウイルスのマイナス鎖によってコードされるHTLV-1 bZIP factor(HBZ)遺伝子が,すべてのATLL細胞で発現し増殖にかかわることを見いだされており、このHBZはtaxを抑制する可能性が示唆されている。今回の研究では、HBZの発現を解析するために、ホルマリン固定のパラッフィン抱埋組織を使用し、HBZのISH(in situ hybridization)(HBZ-ISH)を行った。HBZの発現は、すべてのATLL培養細胞(MT-1, MT-2, and MT-4)やATLLモデルマウス(HBZ-Tg miceとATLLを移植したNOD/SCID/β2mnull mice)(全19症例)で確認できた。また16例のATLL症例でもHBZの発現が確認できた。HBZ-ISHの陽性細胞の率は5から70%であった。一方、Taxを使用した免疫染色では、ATLLを移植したNOD/SCID/β2mnull miceの11例中7例でTaxの発現がみられ、ATLL症例の8例中6例で発現が見られたが、陽性細胞は少数であり、1から5%であった。HBZ-ISHはATLLの診断に有用であることが判明した。
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Research Products
(4 results)