2008 Fiscal Year Annual Research Report
Cdx1・2の新規標的遺伝子による腸上皮細胞の分化・癌化の制御
Project/Area Number |
20390110
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
青木 正博 Kyoto University, 医学研究科, 准教授 (60362464)
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Keywords | 大腸癌 / CDX2 / PLEKHG1 / SLC5A8 / 酪酸 / CDX1 |
Research Abstract |
(1)ヒト大腸癌細胞株を酪酸によって処理した際のSLC5A8の発現上昇は、CDX1やCDX2をノックダウンした細胞でも観察された。一方、SLC5A8プロモーターに結合するCDX1、CDX2の量が酪酸処理により顕著に上昇したことから、このSLC5A8の発現上昇は、酪酸のHDAC阻害活性によりSLC5A8プロモーター領域でヒストンのアセチル化が起こり、CDX1、CDX2が結合しやすくなったためと考えられた。Cdx1変異マウス及びCdx2変異マウスの大腸におけるS1c5a8の発現を、定量的RT-PCR法によって野生型マウスの大腸での発現と比較したところ、両変異マウスでは発現レベルが有意に低下していたことから、S1c5a8は生体内においてもCdx1,Cdx2の標的遺伝子であることが示唆された。(2)CDX2或はCDX1を強制発現させた大腸癌細胞株を用いてChIP-PCR解析を行ったところ、CDX2、CDX2共に、ヒトPLEKHG1遺伝子上流約30kbの領域に結合することが分かった。また、ルシフェラーゼレポーター遺伝子アッセイを用いてCDX1、2がこの領域を介してレポーター遺伝子の転写を活性化することを見出した。PLEKHG1の細胞機能における役割を明らかにするため、PLEKHG1を誘導的に発現する系を大腸癌細胞株DLD-1、CT26、更に線維芽細胞株NIH3T3細胞で、shRNAによりPLEKHG1を恒常的にノックダウンする系を大腸癌細胞株DLD-1及びHCT116で作製した。PLEKHG1タンパクのN末110アミノ酸を大腸菌で発現させて精製、ウサギに免疫してポリクロナル抗体を作製した。更に、Plekhg1の生体内での役割を解明するため、マウスPlekhg1遺伝子の第3エクソンをCreで誘導的に欠失させるようなコンディショナル・ターゲティングベクターを完成させた。
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Research Products
(8 results)