2010 Fiscal Year Annual Research Report
敗血症時の自然免疫発動におけるT細胞介入機構の解明
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20390111
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
松川 昭博 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (90264283)
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Keywords | 敗血症 / 自然免疫 / サイトカイン / シグナル伝達 |
Research Abstract |
これまでの研究で、T細胞は自然免疫担当細胞(食細胞)を活性化し、敗血症時の自然免疫を賦活すること、B細胞の自然免疫への介入作用はないことを示し、SOCS3および5のT細胞過剰発現により自然免疫は賦活化され、感染性腹膜炎後の生存率に改善がみられることを報告した。また、T細胞SOCS5過剰マウスでトレランスの誘導は増幅することを見出した。これらは、T細胞に発現するSOCS3/5は自然免疫応答に極めて重要であることを意味する。そこで、本年度は、まず、Th反応の主役であるCD4T細胞におけるSOCS3の役割を知るために、CD4T細胞特異的にSOCS3が欠損したマウスを用いて感染性腹膜炎時の免疫反応を検証した。その結果、CD4T細胞特異的SOCS3欠損マウスでは、コントロールマウスと比べ、腹腔内および末梢血中の細菌保有量やサイトカイン産生量に有意な差は見られず、敗血症誘導後のマウス致死率に差はなかった。この結果は、自然免疫におけるSOCS3の役割はCD4以外のT細胞による可能性を示唆する。次年度より、CD8T細胞に着目して検討予定である。一方、CD4T細胞にSOCS1が欠損したマウスではConcanavalinA誘導肝炎は増悪した。この時、マウス肝臓内ではTh1反応が亢進していることを確認した。CD4に発現しているSOCS1がTh1反応を抑制していることが示された。現在、さらにメカニズムを解析中である。
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