2008 Fiscal Year Annual Research Report
マクロファージの活性化制御におけるスカベンジャー受容体の役割と診断・治療への応用
Project/Area Number |
20390113
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
竹屋 元裕 Kumamoto University, 大学院・医学薬学研究部, 教授 (90155052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 直実 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 准教授 (90284752)
菰原 義弘 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (40449921)
藤原 章雄 熊本大学, 大学院・医学薬学研究部, 助教 (70452886)
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Keywords | クラスAスカベンジャー受容体(CD204) / マクロファージ活性化 / 炎症制御 / オルタナティブ活性化 / 急性冠症候群 / 腫瘍内浸潤マクロファージ / LOX-1 / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
マクロファージの活性化には、古典的活性化(M1経路)とオルタナティブ活性化(M2経路)が存在し、スカベンジャー受容体ファミリー分子はそれぞれの活性化過程において特異な発現動態を示す。本年度の検討で、急性心筋梗塞をはじめとする急性冠症候群では血中単球においてオルタナティブ活性化(M2)マクロファージのマーカーであるクラスAスカベンジャー受容体(CD204)の発現が誘導されることが明らかになった。このことから単球におけるCD204の発現状態を検討することによって、急性冠症候群の診断と経過のモニターのために有用な診断法となる可能性が示された。次年度は、血清のELISAあるいは単球のフローサイトメトリーによるCD204の発現解析法の確立を計画している。次に、膠芽腫では悪性度(グレード)の増加に伴ってCD204陽性のM2マクロファージの浸潤が増強し、腫瘍の増殖に密接に関連することが明らかとなった。今後、薬剤による腫瘍内浸潤マクロファージの活性化を制御することにより、腫瘍増殖を抑制するという新しい治療戦略を検討したい。クラスEスカベンジャー受容体であるLectin-like Oxidized Low-Density Lipoprotein Receptor-1(LOX-1)は、種々の臓器の中で胎盤において最も強い発現が見られる。これまで胎盤におけるLOX-1の機能は不明であったが、マウスおよびヒト胎盤での検討から、LOX-1は妊娠経過中のトロホブラストにおける酸化ストレスの制御に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)