2008 Fiscal Year Annual Research Report
上皮細胞膜上におけるプロテアーゼ活性調節とその異常による病態の解析
Project/Area Number |
20390114
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
片岡 寛章 University of Miyazaki, 医学部, 教授 (10214321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹田 直樹 熊本大学, 生命資源・研究支援センター, 助教 (90304998)
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Keywords | HAI-1 / 上皮細胞 / conditional knockout / 膜型プロテアーゼインヒビター / 膜型プロテアーゼ / 上皮形態形成 / HGF activator / macrophage-stimulating protein |
Research Abstract |
細胞膜結合型セリンプロテアーゼインヒビターHAI-1とその標的プロテアーゼによる細胞周囲微小環境での生理活性物質プロセッシング制御と、その破綻によって生じる病態を、遺伝子改変マウスを用いて解析し、以下の成果を得た。 (1)HGF activatorによって活性化されるHGF以外の生理活性物質として、macrophage stim ulating proteinを同定し、これを報告した(FEBS J,in press)。 (2)HAI-1 KOマウスの表皮における魚鱗癬様病変について詳細に検討し、報告した(Am J Pathol,173:1464-75,2008)。さらに、HAI-1欠損表皮の超微形態像の検討を開始した。 (3)HAI-1のプロモーター領域の解析を行い、HAI-1発現が低酸素刺激や酸化ストレスによって誘導されることを明らかにし、報告した(Virchows Archiv,453:347-57,2008)。 (4)HAI-1抑制により、癌細胞の上皮・問葉転換現象が生じることをはじめて報告した (Cancer Res,69:1828-35,2009)。 (5)HAI-1の消化管および呼吸器上皮における機能を明らかにするための、conditional KOマウス作成を遂行し、平成20年度は以下の成果を得た。 (1)Floxed HAI-1マウスの作成に成功した。 (2)Floxed HAI-1マウスとvillin-Creマウスの交配を開始し、腸管特異的 HAI-1 conditional KOマウスの作成に世界に先駆け成功した。 今後は、このconditional KOマウスの解析を以下の2点に注目して進めたいと考えている。 (1)炎症性腸疾患モデルを作成し、HAI-1欠損の影響をみる。 (2)発がんに対する影響を検証する。発がんモデルとして(1)化学発癌モデル、(2)APC欠損マウスとの交配、を考えている。 これらの解析を通じて、HAI-1の生体内機能の一端があきらかになると共に、臨床応用にむけた可能性探索が可能になる。
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Research Products
(10 results)