2008 Fiscal Year Annual Research Report
Ca非依存性PLA2による新しい免疫制御メカニズムと神経変性疾患への関与
Project/Area Number |
20390117
|
Research Institution | St.Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
清野 研一郎 St.Marianna University School of Medicine, 難病治療研究センター, 准教授 (20312845)
|
Keywords | 疾患モデル動物 / NKT細胞 / INAD |
Research Abstract |
iPLA2βはグリセロリン脂質の2位のアシル鎖を加水分解し、脂肪酸とリゾリン脂質を生成し細胞膜リン脂質のリモデリングに重要な酵素である一方、N末端側にあるアンキリンリピートによって様々な分子と会合し、核内移行シグナルによって核内に集積し細胞のシグナル伝達に関与するという知見もある。我々はこのiPLA2β内に点突然変異を持つミュータントマウスを発見・樹立し解析を行った。 その結果、このミュータントマウスは生後7週目前後から運動障害を呈し、病理学的検討では中枢神経、末梢神経系にスフェロイドの形成が見られた。2006年、同遺伝子の異常による神経原性筋萎縮症(軸索ジストロフィー、Infantile neuroaxonal dystrophy (INAD))がアメリカのグループから報告され(Nature Genetics 38:752,2006)、我々の樹立したマウスはこのヒトでも見られる神経難病のモデルマウスであるということができる。2008年にはiPLA2βの欠損マウスでやはり神経障害がみられることが報告されたが、発症までに1-2年という長い時間を要し、われわれの樹立したミュータントマウスのほうがモデル動物としては優れているといえよう。また我々は点突然変異を持つiPLA2βタンパク質の生化学的検討を行い、タンパク質の発現はあるものの酵素活性は著しく低下していることを見出した。今後このミュータントマウスが治療薬のスクリーニングなどに活用されることが期待される。なおこのマウスはPla2g6-inadマウスと命名した。
|
Research Products
(1 results)