2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390119
|
Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
野崎 智義 国立感染症研究所, 寄生動物部, 部長 (60198588)
|
Keywords | 小胞輸送 / 病原機構 / 感染症 / 寄生虫 / システインプロテアーゼ |
Research Abstract |
本研究は赤痢アメーバの生存と寄生・病原に必須なシステイラプロテアーゼ(CP)の機能的特異性、輸送ならびに活性調節機構を、生化学的・細胞化学的・逆遺伝学的手法、トランスクリプトーム・プロテオームなどの"-omics"手法を応用した統合的アプローチにより解明することを目的とする。本年度は、CPの中でも病原性に関与することが示唆されているCP5の輸送に関与すると示唆される分子を同定し、その機能を明らかにした。HAにより標識したCP5を発現したから免疫沈降法により、CP5に結合する分子として同定されたCP5輸送体(CPBF1)にHA標識をしたものを強制発現した形質転換体から免疫沈降法により結合するタンパク質を同定したところ、CP5並びにCP4が特異的に同定され、CPBF1の輸送物(cargo)の特異性が示された。次にCPBF1遺伝子抑制株を作成し、CPの輸送の変化を調べたところ、CPBF1発現抑制体では野生型と比較して、細胞内のCP活性が減少し、細胞外に分泌されるCP活性が約2倍に上昇していた。また特異的抗体による解析でもCP5が選択的に細胞外に放出されていることが確認された。 以上のことよりCPBF1はCP4/CP5の輸送に、恐らくはリソソーム等への輸送に関与する特異的輸送体であることが示された。また、Entamoeba invadensの全遺伝子を網羅したAffymetrixカスタムDNAマイクロアレイを用いた解析により、栄養型の嚢子化過程における約40のCP遺伝子の発現プロファイルを明らかにした。更にこれらのCPの特徴を明らかにするために、E.invadens CP遺伝子の注釈付けを終了し、報告した。
|