2010 Fiscal Year Annual Research Report
黄色ブドウ球菌エンテロトキシンファミリーの多機能性の解析とその意義
Project/Area Number |
20390122
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
中根 明夫 弘前大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30164239)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
胡 東良 弘前大学, 大学院・医学研究科, 准教授 (10333733)
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Keywords | ブドウ球菌エンテロトキシ / TSST-1 / SEA / オートファジー / IL-17 / 黄色ブドウ球菌 / 感染 |
Research Abstract |
1.TSST-1遺伝子ノックアウト株では野生株の黄色ブドウ球菌に比べ致死率の低下を示した。感染マウスの臓器中生菌数を両株で比較したが、肝臓・脾臓・腎臓における生菌数に有意差は認められず、臓器レベルの菌の増殖によりビルレンスの差が生じているわけではないことが示唆された。同様に、上皮細胞に対する菌の付着能・侵入能にも両株で差異は認められなかった。現在、さらにファゴソーム内・細胞質における両株の増殖・局在について検討中である。 2.上皮細胞を用いて黄色ブドウ球菌感染によるオートファジーの誘導について検討したところ、野生株に比べTSST-1遺伝子ノックアウト株感染でオートファゴソームの形成が高かった。また、遺伝子組換えTSST-1を上皮細胞に作用させ、野生株を感染させたところ、TSST-1処理細胞でオートファゴソームの形成が減少していた。これらの結呆は、TSST-1がオートファジーの制御に働いている可能性を示唆している。 3.スンクスの腸管ホモジネートを用いてSEAと結合するタンパク質をプルダウン法により単離しアミノ酸末端配列を解析し、現在ホモロジーを示す候補タンパク質の絞り込みを行っている。 4.遺伝子組換えTSST-1無毒タンパク質で免疫したマウスは、致死量の黄色ブドウ球菌感染に対し抵抗性を獲得するが、IL-17Aノックアウトマウスでは免疫による感染抵抗性は見られず、TSST-1免疫による感染抵抗性はIL-17に依存していることが示唆された。
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