2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390126
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堀口 安彦 Osaka University, 微生物病研究所, 教授 (00183939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神谷 重樹 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (60379089)
福井 理 大阪大学, 微生物病研究所, 助教 (70397743)
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Keywords | 百日咳菌 / 気管支敗血症菌 / DNAチップ |
Research Abstract |
感染過程において特異的に発現する遺伝子群探索を目的として気管支敗血症菌のRIVETシステムと細胞感染モデル実験の検討を行った結果、RIVETシステムには二つの技術的な問題点があることが判明した。一つは、感染開始直後に発現する遺伝子群に選択的に大きな偏りが生じることであり、感染過程で一過的に発現するような遺伝子群の同定は相対的に困難になってしまうと推察された。二つ目はシークエンス反応によるライブラリの同定方法では大規模な網羅的解析が困難なことである。以上の問題点を解決するために、研究計画1)および2)を次のように変更し検討を行った。 1)改良型IVETシステムの考案、検討 菌体表層に提示される標識蛋白質の遺伝子上流にゲノムライブラリを挿入し、感染過程で発現するライブラリを導入された菌株のみを選択的に回収し、網羅的に解析する改良型IVET法を考案した。細胞感染モデル実験と組み合わせて菌体の回収およびライブラリの抽出などの諸条件の検討を行い、感染過程において経時的に発現する遺伝子群探索に使用できる実験条件を確立した。 2)遺伝子間領域のみをプローブとするカスタムアレイの設計および検討 IVETシステムで選択回収されたライブラリを網羅的に解析する目的で気管支敗血症菌のゲノム配列情報から遺伝子間領域が100bp長を超える1469領域をプローブとするカスタムアレイを設計した。本アレイの使用条件の検討を行い、網羅的解析に使用できる実験条件を確立した。 気管支敗血症菌を三種の動物(マウス、モルモット、ラット)に感染させる感染動物モデル実験系を構築した。感染成立後、肺と気道組織から菌を回収する実験手法および条件も確立した。上記の改良型IVETシステムとカスタムアレイと合わせて、感染動物モデル実験において特異的に発現する遺伝子探索のための全ての実験手法および実験条件の検討が終了した。
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