2008 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-1タンパク質の細胞内ダイナミクス制御機構の解明
Project/Area Number |
20390136
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
梁 明秀 National Institute of Infectious Diseases, エイズ研究センター第一研究グループ, グループ長 (20363814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直樹 国立感染症研究所, エイズ研究センター, センター長 (00094053)
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Keywords | 細胞 / HIV / 宿主因子 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
HIV-1感染症の成立には宿主タンパク質とHIV-1タンパク質問の相互作用が必須であり、そのものがウイルスの増殖・生活環、および病原性発現機構に重要な役割を果たす。本研究課題では、生体に近い高次の細胞培養システム、生細胞内分子リアルタイム可視化等による細胞内超微細構造観察、タンパク質翻訳後修飾をモニターするプロテオーム技術などの先端技術の活用することにより、HIV-宿主細胞因子の有機的相互作用の全貌を明らかにする。具体的には細胞極性や細胞運動を有する組織、細胞培養系を構築し、HIV-1タンパク質と相互作用または翻訳後修飾する宿主因子を同定後、当該因子のウイルス複製や病原性発現における影響について考察する。同時に、HIV-1タンパク質の細胞内ダイナミクス制御機構を解明することにより、HIV-1複製サイクルにおける宿主-ウイルス相互作用の分子基盤を明らかにし、その関連因子群を標的とした新規のエイズ治療薬の開発を目指す。HIV-1複製や病原性に関与する宿主因子の同定を行うため、ヒト全長cDNAライブラリーと無細胞蛋白質合成用いた、ハイスループット蛋白質間相互作用アッセイを実施した。その結果、HIV-1蛋白質を翻訳後修飾する宿主因子を複数同定した。同定された宿主因子については、実際にウイルス複製、特に細胞内トラフィックに関与するエフェクター因子であるかどうかについてバリデーションを行い、現時点で3つの有力の宿主因子を同定済みである。今後は、細胞株またはヒト末梢CD4+細胞を用いたin vitro感染系において、ウイルス複製や病原性発現における当該因子の影響についてより詳細に考察する。また、ウイルスタンパク質の翻訳後修飾を直接モニターすることができる、特異的マーカーを作成し、精度in vivo細胞分子イメージングを中心とした生理学的解析を行うことにより、細胞内におけるHIV-1蛋白質の機能的動態について詳細に考察する。
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