2009 Fiscal Year Annual Research Report
HIV-1タンパク質の細胞内ダイナミクス制御機構の解明
Project/Area Number |
20390136
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
梁 明秀 Yokohama City University, 医学研究科, 教授 (20363814)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 直樹 国立感染症研究所, エイズ研究センター, センター長 (00094053)
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Keywords | 細胞 / HIV / 宿主因子 / 翻訳後修飾 |
Research Abstract |
HIV-1感染症の成立には宿主タンパク質とHIV-1タンパク質間の相互作用が必須であり、そのものがウイルスの増殖・生活環、および原性発機に重な役割を果たす。本研究課題では、生体に近い高次の細胞培養システム、生細胞内分子リアルタイム可視化等による細胞内超微細構造観察、タンパク質翻訳後修飾をモニターするプロテオーム技術などめ先端技術の活用することにより、HIV-宿主細胞因子の有機的相互作用の全貌を明らかにする。本年度はHIV-1の粒子タンパク質であるGagにタンデムアフィニティータグ(TAPタグ)を融合したGagタンパク質を細胞内に発現し、経時的に細胞内の局在を考察した後に細胞を回収し、アフィニディーカラムを用いたGag結合タンパク質複合体の生化学的な精製と質量分析系を用いてその構成タンパク質の同定を行った。その結果、Gagタンパク質と結合する因子を新たに30種類以上同定した。次に機能的な相互作用をもつ因子の絞り込みを行うため、HIV感染細胞における細胞内局在、タンパク質発現、CoralHue Fluo-chase法を用いた細胞内相互作用のリアルタイム定量化を行い、Gagタンパク質の細胞膜への輸送に関与する3因子を同定した。また、ヒト全長cDNAライブラリーを鋳型とした無細胞タンパク質合成系を用いたヒトキナーゼライブラリーを作製し、アルファスクリーン法によりHIV Gagをリン酸化するキナーゼを新規に同定した。今後は本宿主因子群の阻害実験を行い、新たなエイズ治療薬の分子標的となりうるかについて検討を行う。
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