2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390139
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
徳久 剛史 Chiba University, 大学院・医学研究院, 教授 (20134364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 雅彦 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (20208523)
有馬 雅史 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (00202763)
坂本 明美 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教 (90359597)
藤村 理紗 千葉大学, バイオメディカル研究センター, 助教 (30376363)
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Keywords | 免疫記憶 / Bリンパ球 / 胚中心 / CXCR4 / IL-21 / Long-lived Plasma細胞 |
Research Abstract |
本研究は、胚中心において高親和性IgG B細胞が分化するメカニズムを分子レベルで明らかにする。次に、胚中心から分化したメモリーB細胞やLong-lived Plasma細胞が、骨髄やMarginal Zoneにおいて長期間生存するメカニズムを分子のレベルで明らかにする。平成21年度は、1.胚中心B細胞におけるCXCR4の発現調節機序や、2.IL-21R-KOマウスを用いたLong-lived Plasma細胞の分化メカニズムの解析を行い、以下のようなことを明らかにした。 (1)成熟B細胞を抗IgM抗体と抗CD40抗体とIL-4で刺激した後、IL-21で再刺激すると細胞表面のCXCR4のエンドサイトーシスが高まることを見出した。さらにBCL6-KO B細胞ではIL-4の追加刺激でもCXCR4陽性のB細胞は誘導されず、CXCR4陰性のCentrocytes様のB細胞のみが増殖することを見出した。しかし、IL-4の刺激によりCXCR4 mRNAの発現誘導は見られていることから、新生されたCXCR4タンパクのエンドソームへの取り込みを行なうCD63の発現解析をしたところ、そのmRNAの発現がBCL6-KO B細胞で著しく高値を示し、遺伝子解析からCD63がBCL6の標的遺伝子であることを明らかにした。 (2)IL-21R-KOマウスを免疫してもLong-lived Plasma細胞が分化しないことを見出した。正常マウスの成熟B細胞を抗IgM抗体と抗CD40抗体とIL-4で刺激した後、IL-21で再刺激するとLong-lived Plasma細胞様のPlasma細胞が分化誘導された。このPlasma細胞を同系マウスに移植したところ、4週間後の骨髄において抗体を産生し続けていた。これらの結果から、胚中心における濾胞ヘルパーT細胞などから放出されるIL-21がLong-lived Plasma細胞の分化に必須であることを明らかにした。 上記の研究成果は、ワクチン改良への新しい展開に道を拓くものである。
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