2008 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体刺激樹状細胞からのI型インターフェロン産生制御機構の解明
Project/Area Number |
20390146
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 The Institute of Physical and Chemical Research, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体 / 免疫アジュバント / I型インターフェロン / 樹状細胞サブセット / 2本鎖RNA |
Research Abstract |
核酸系免疫アジュバントは、Toll様受容体(TLR)と呼ばれる膜タンパク、あるいは、RIG-I様受容体(RLR)と呼ばれる細胞質内タンパクを介して樹状細胞を活性化し、炎症性サイトカインやI型インターフェロン(IFN)などの産生を誘導する。樹状細胞は不均一な細胞集団であり、各サブセットはサブセット特有の応答様式を示す。形質細胞様樹状細胞(PDC)と呼ばれる樹状細胞サブセットは、TLR7/9を介して核酸を認識し、大量のI型IFNを産生する。また、PDC以外の樹状細胞はcDCと呼ばれるが、特にCD8陽性樹状細胞はクロスプライミングを介してCD8T細胞を活性化する能力を有する樹状細胞サブセットであり、抗腫瘍免疫、抗ウイルス免疫に関与する。我々は、2本鎖RNA、poly(A:U)の免疫アジュバント効果を解析し、poly(A:U)はTLR3,TLR7により認識されるが、RLRによっては認識されないこと、また、poly(A:U)を用いて、TLR3がin vivoにおけるCD8T細胞応答、すなわちクロスプレゼンテーションに関与していることを見出した。PDC,CD8陽性樹状細胞を含む種々の樹状細胞サブセット特異的に発現する遺伝子群の中から、いくつかの遺伝子欠損マウスをすでに作成している。これらの遺伝子欠損マウスの解析により、TLR刺激に対する、樹状細胞サブセット特有の応答機構の解明を進めることを計画している。
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Research Products
(24 results)