2010 Fiscal Year Annual Research Report
Toll様受容体刺激樹状細胞からのI型インターフェロン産生制御機構の解明
Project/Area Number |
20390146
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
改正 恒康 独立行政法人理化学研究所, 生体防御研究チーム, チームリーダー (60224325)
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Keywords | 樹状細胞 / Toll様受容体 / 免疫アジュバント / I型インターフェロン / 樹状細胞サブセット / セリンスレオニンキナーゼ |
Research Abstract |
樹状細胞は、免疫アジュバントに対してサブセット特異的な免疫応答を示す。形質細胞様樹状細胞(pDC)は、TLR7/9を介して核酸を認識し、大量のI型IFN(IFN-α、IFN-β)を産生する。PDC以外の樹状細胞、通常樹状細胞(cDC)は、TLR7/9刺激に対して、IFN-βを産生するが、IFN-αは産生しない。また、cDCの中でもCD8+DCは死細胞を取り込む活性が強く、その死細胞由来の抗原を提示し、細胞障害性T細胞の分化誘導を支持する(クロスプレゼンテーション)活性を持つ。このような樹状細胞サブセットの特性の分子基盤を解明するために、マウス樹状細胞サブセットのDNAマイクロアレイデータの比較解析を行った。その結果、まず、pDCにおいて発現の高い転写因子Xに着目した。この転写因子Xは、IRF-7との共発現により、I型IFNプロモーターを相乗的に活性化した。また、CD8+DCにおいて発現の高いケモカイン受容体遺伝子Xcr1に着目した。Xcr1は血球系ではほぼCD8+DCに発現が限局していた。また、そのリガンドであるケモカインXcl1の発現は、NK細胞、活性化CD8陽性T細胞に優位に認められた。さらに、Xcr1, Xcl1の発現パターンは、ヒトにおいてもほぼ同様に認められた。このように、ケモカインシステムXcr1/Xcl1は、CD8+DCの動態を制御することにより、自然免疫獲得免疫双方の細胞障害性応答に関与している可能性が考えられた。今後、このような種々の樹状細胞サブセット特異的に発現する機能分子の解析を進めて、樹状細胞サブセット特有の応答機構の解明を進めることを計画している。
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Research Products
(32 results)