2008 Fiscal Year Annual Research Report
薬物輸送タンパク質の多型情報に基づく分子標的化学療法薬の個別化治療戦略
Project/Area Number |
20390161
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
丸山 徹 Kumamoto University, 薬学部, 教授 (90423657)
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Keywords | α_<1->酸性糖タンパク質 / バリアント / リガンド結合 / X線結晶構造解析 / アルブミン / 分子標的薬 |
Research Abstract |
α_<1->酸性糖タンパク質(AGP)結合性薬物の中には、Fl^*S体及びA体というバリアント間において結合選択性を有するものが存在し、A体選択的結合薬物には構造類似性が認められる。AGPのリガンド結合サイトのトポロジー及びバリアント間における薬物結合選択機構を解明することを目的とし、AGPアポ体及びAGP/リガンド複合体のX線結晶構造解析を試みた。1、A体の構造決定を行うため、糖鎖を持たない組換え型A体(rA)の作製を試みた。A体のCysl49をF1^*S体の149位のアミノ酸残基であるArgに置換した変異体C149Rを作製したところ、均一なサンプルの調製に成功した。また、作製したCl49Rが血清由来のA体と同等の構造及びリガンド結合特性を保持していることを確認した。2、PEG4000を沈殿剤とする結晶化条件でC149Rの結晶が得られ、多波長異常分散法(MAD法)を行うために、セレノメチオニル化C149Rを作製し、その結晶化も行った。さらに、A体に選択的に結合するジソピラミド(DSP)を用いて、C149R/DSP複合体の結晶を調製し、これらの結晶を用いてX線回折実験を行った。C149R/DSP複合体の構造からA体によるDSPの結合様式を明らかにした。3、明らかとなったA体(Cl49R)と、F1^*S体の構造を比較したところ、バリアント間における112-117位と156位のアミノ酸残基の置換が引き金となり、A体はF1^*S体に比べて結合ポケットの入り口が狭くなっていることが確認された。
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Research Products
(25 results)