2009 Fiscal Year Annual Research Report
個別化医療の実現を目指した新規迅速遺伝子解析技術の臨床応用
Project/Area Number |
20390164
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村上 正巳 Gunma University, 大学院・医学系研究科, 教授 (30241871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康次郎 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70174787)
奈良 誠人 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80420165)
荻原 貴之 群馬大学, 医学部, 助教 (80361377)
森村 匡志 群馬大学, 医学部, 助教 (20436306)
常川 勝彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30436307)
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Keywords | 遺伝子 / 一塩基多型 / 薬剤反応性 / 糖尿病 / 肥満 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
遺伝子の一塩基多型(SNP)の情報をもとにして、個人々々により適した医療を提供する個別化医療の実現にあたっては、簡便で正確な遺伝子検査の実現が求められている。理化学研究所では、安価、簡易、迅速な新規等温核酸増幅法であるSmartAmp (Smart Amplification Process)法を開発した。本研究では、簡便、迅速、正確なSNPの検出方法を開発し、実際の医療の現場でその検査方法を利用して遺伝子検査を実施し、個別化医療推進の一助とすることを目的とする。これまでの地域住民を対象として、脂肪組織での熱産生ならびに脂肪分解に関与するβ3アドレナリン受容体(β3AR)遺伝子のTrp64Arg、β2アドレナリン受容体(β2AR)遺伝子のArg16Gly、Uncoupling protein-1 (UCP-1)遺伝子の-3826A/GについてSmartAmp法により検討した。その結果、それぞれのSNPは単一では身体所見に有意な差異を認めなかった。しかしながら、β2AR Arg/ArgとUCP-1 G/Gのgenotypeの組み合わせで有意にウエスト/ヒップ比が上昇し、β3AR Arg、β2AR ArgおよびUCP-1 Gのallele保有数が増えるほど有意なウエスト/ヒップ比の上昇が認められた。このように、肥満に関連する遺伝子のSNPの組み合わせと肥満の程度との関連が認められ、SmartAmp法による迅速、簡便かつ安価な遺伝子解析技術が、肥満の個別化予防に有用である可能性が示された。脂質異常症や動脈硬化症などの原因として潜在性甲状腺機能低下症が注目されているが、その原因については橋本病以外の病態は不明な点が多い。研究代表者らは、潜在性甲状腺機能低下症の原因となりうるいくつかのTSH受容体遺伝子の変異を同定して報告したが、それらの中で本邦ではR450Hの頻度が高いことが判明した。今回本研究において、TSH受容体遺伝子のR450Hの変異を同定するSmartAmp法のキットの開発に成功した。本キットにより一般住民におけるR450H変異の頻度について大規模な解析を行う。
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Research Products
(7 results)