2010 Fiscal Year Annual Research Report
個別化医療の実現を目指した新規迅速遺伝子解析技術の臨床応用
Project/Area Number |
20390164
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
村上 正巳 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30241871)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 康次郎 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (70174787)
奈良 誠人 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (80420165)
荻原 貴之 群馬大学, 医学部, 助教 (80361377)
森村 匡志 群馬大学, 医学部, 助教 (20436306)
常川 勝彦 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (30436307)
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Keywords | 遺伝子 / 一塩基多型 / 薬剤反応性 / 糖尿病 / 肥満 / バイオテクノロジー |
Research Abstract |
SmartAmp法は理化学研究所ゲノム科学総合研究センターで開発され、目標とする遺伝子多型を核酸抽出の手順を踏むことなく、血液などの臨床サンプルから直接に30分という短時間で検出することができる個別化医療実現の一助となる画期的な方法である。SmartAmp法では、2本鎖から1本鎖への変性が不要で、等温による短時間で高い増幅効率が得られることを特長とし、標的となるSNPの解析のキットが作成できれば、血液と試薬を混合するのみの簡便な操作しか必要とせず、感度と特異度が高く、迅速、簡便、低コストで正確にSNPを診断できる検査法である。我々は、群馬大学教育学部保健体育学教室と共同で群馬大学の地域貢献事業として地域住民の健診を行い、400例以上の対象者に75g経口糖負荷試験を実施してきた。この検査結果からHOMA-βやinsulinogenic indexで表わされるインスリン分泌能ならびにHOMA-Rで表わされるインスリン抵抗性を解析し、エネルギー代謝に関わる遺伝子の一塩基多型(SNP)との関連についてSmartAmp法を用いて検討を行った。その結果、細胞内局所で甲状腺ホルモンのT4をT3に変換して活性化する2型甲状腺ホルモン脱ヨード酵素(D2)の遺伝子(DIO2)のThr92AlaのSNPがインスリン分泌能の低下に関連していることが明らかとなった。我々はD2が骨格筋や褐色脂肪組織に発現していることを見出したが、近年は脂肪酸によるTGR5を解するエネルギー代謝にD2が重要な役割を果たしていることが報告され、これまではインスリン抵抗性とD2の関連について研究が進められてきたが、今回の我々の解析結果はインスリン分泌調節におけるD2の役割の可能性を示唆するという新たな視点を提供するものである。
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Research Products
(13 results)