2008 Fiscal Year Annual Research Report
悪性腫瘍における治療選択検査と分子標的治療の開発:プリン代謝酵素欠損モデル
Project/Area Number |
20390166
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
登 勉 Mie University, 大学院・医学系研究科, 教授 (60106995)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 中 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80237304)
高尾 仁二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (30263007)
白石 泰三 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (30162762)
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Keywords | MTAP欠損 / モノクローナル抗体 / 分子標的治療 / エピトープマッピング / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
本年度は、抗ヒトMTAPモノクローナル抗体のエピトープマッピングを行った。各種の癌で見られるMTAP遺伝子の欠失は常に第8エクソンを含むことから、作製したモノクローナル抗体が認識するエピトープがどこかを確認することは重要である。短縮したMTAP分子を大腸菌で発現し、モノクローナル抗体を用いてウエスタンブロット解析を行った。その結果、認識エピトープはMTAP分子の3'側に存在することが確認できた。さらに、アラニンスキャンニング法によりコドン268のHisと269のAsnをアラニンに変換した場合、抗体結合が低下した。一方、コドン267と270をアラニンに変換した場合には抗体結合が変化しなかった。以上より、我々が作製したモノクローナル抗体は第8エクソンのコドン268と269を認識することを証明した。続いて、我々が保有しているMTAP欠損癌細胞株を用いてウエスタンブロット解析を行ったところ、全ての欠損細胞株で陰性の結果であった。 臨床検体でMTAP欠損を確認する方法には、免疫組織染色法や遺伝子欠失診断法があるが、蛋白レベルで酵素欠損を証明する免疫組織染色法が汎用性や簡便性の点で優れる。その際に重要なことは、抗体の認識エピトープであるが、我々の抗体は現在確認されている遺伝子欠失とプロモーターメチル化による酵素欠損のいずれの場合も診断可能であり、臨床上非常に有用である。 酵素欠損を標的とする分子標的薬の検索は、細胞内ATPを低下させる作用を有する化学物質を中心に進めているが、次年度以降には候補物質を同定できるようにしたい。また、白血病への応用を目指したFACS解析についても検討する予定である。
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Research Products
(1 results)