2008 Fiscal Year Annual Research Report
パーキンソン病における酸化ストレス誘導神経細胞死の新規解明と予防法の確立
Project/Area Number |
20390172
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
及川 伸二 Mie University, 大学院・医学系研究科, 准教授 (10277006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山嶋 哲盛 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60135077)
村田 真理子 三重大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10171141)
平工 雄介 三重大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (30324510)
加藤 琢磨 三重大学, 大学院・医学系研究科, 准教授 (60224515)
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Keywords | パーキンソン病 / 黒質 / 神経細胞死 / 酸化ストレス / 活性酸素種 / 酸化損傷タンパク質 / プロテオミクス解析 / 酸化損傷度 |
Research Abstract |
代表的な神経変性疾患であるパーキンソン病においては、主たる病変部である黒質の神経細胞死に活性酸素種が重要な役割を果たすことが広く知られている。タンパク質の酸化損傷は機能低下につながり、活性酸素種による細胞死において重要な役割を果たす。黒質において酸化損傷を受ける個々のタンパク質を明らかにすることは神経細胞死の機構解明に非常に有用である。本年度は、虚血再灌流により酸化ストレスを暴露したサルの黒質を用いてプロテオミクス解析を行い、神経細胞死に伴う個々のタンパク質の酸化損傷について網羅的な検討を行った。その結果、組織学的な解析により15日目に黒質のドーパミン作動性神経細胞が細胞死を起こすことが明らかになった。2D-DIGE法による発現量解析を行い約2000個のタンパク質スポットを検出し、それらのスポットの経時的な発現量変化を明らかにした。2D Oxyblot法により各スポットのカルボニル化タンパク質量変化を解析後、酸化損傷度として標準化した結果、コントロール(開胸のみで虚血再灌流を行わないサル)と比較して虚血再灌流によって酸化損傷度が増加したタンパク質スポットを20個認めた。酸化損傷度が増加したスポットについてタンパク質の同定を行い、Heat shock 70 kDa protein 1(Hsp70-1)、Dihydropyr imidinase-like 2 (DRP2) isoform 2、DRP5、Fructose-bisphosphate aldolase c、GDP diss ociation inhibitor 2などを同定した。これら酸化損傷の増加を示したタンパク質が酸化損傷により機能や安定性に変化をきたし、酸化ストレスによる黒質の神経細胞死に関与する可能性が示された。
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Research Products
(20 results)