2010 Fiscal Year Annual Research Report
乳がん予防を目的としたCYP19遺伝子型と環境要因の交互作用の検討
Project/Area Number |
20390179
|
Research Institution | Aichi Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
広瀬 かおる 愛知県衛生研究所, 企画情報部, 健康科学情報室長 (00393124)
|
Keywords | 乳がん / ハプロタイプ / エストロゲン |
Research Abstract |
わが国においても乳がんはすでに10年前から女性のがん罹患率のトップになっており、その増加傾向は特に閉経後女性で著明である。そこで高危険群に対し効果的・効率的に予防対策を策定するための情報を得ることをめざし、遺伝的要因ならびに生活習慣要因について検討を行う。エストロゲンは乳がんの危険因子として重要である。愛知県がんセンター中央病院外来初診患者を対象に調査票による生活習慣調査及び血液提供協力依頼・採血を実施する大規模病院疫学(HERPACC)研究のフレームワークにおいてすでに収集され保存されている閉経後非がん患者100例の生体試料を用い、非がん患者群における血清のestrone(E1), estradiol(E2), testosterone(T), sex horomone binding globlin(SHBG)の測定を行った。初潮年齢が早かった人ほどE1、Tレベルが高く、出産未経験者では血清Tレベルが高い傾向であった。またBody Mass Indexが大きい人ほど血清SHBG濃度は低く、強い関連があることが明らかになった。さらにすでに同定済みの血清ホルモンレベルへの関与が大きいことが示唆されるCYP19遺伝子上のハプロタイプブロックとの関連を検討するため、年齢・受診年をマッチさせた症例群(698例)・対照群(1396例)を選別し症例・対照研究の手法により評価した。両群のSNP1(rs12148604)、 SNP24(rs752760)、 SNP25(rs2445768)の遺伝子多型をTaqMan法により決定した。閉経後女性においてSNP25のAAタイプ群を1.0とするとAC及びCCタイプ群の年齢調整オッズ比(95%信頼区間)はそれぞれ0.94(0.69-1.28)、0.86(0.60-1.24)であり、閉経後乳がん易罹患性への影響の可能性が示唆される結果が得られた。
|
Research Products
(2 results)