2010 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の心理社会的変数と健康アウトカムとの関連における免疫炎症機序の検証
Project/Area Number |
20390190
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Gerontology |
Principal Investigator |
藤原 佳典 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(東京都健康長寿医療センター研究所), 東京都健康長寿医療センター研究所, 研究副部長 (50332367)
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Keywords | 疫学 / 心理社会変数 / 免疫・炎症性マーカー |
Research Abstract |
【目的】心理・社会的因子が神経-免疫-内分泌軸を介して身体・心理的健康アウトカムに影響を及ぼすとの説がある。同仮説を検証すべく、炎症性マーカーである血清IL-6,高感度CRPおよび、白血球数と心理・社会的因子との関連を縦断的に分析した。 【方法】長期縦断研究(TMIG-LISA)の初回調査(1991年)を受診した東京都小金井市に在住する高齢者(≧65歳)379人(男173人、女206人)を対象に1995年度に再度調査した。解析対象は両調査ともに受診した259人(男128人、女131人)である。両調査では問診、血液採取、体力測定等からなる健診を実施した。初回調査の健康度自己評価(SRH)は、「あなたは普段ご自分で健康だと思いますか」という質問に対しA「非常に健康」、B「まあ健康」、C「あまり健康でない」、D「健康でない」の4択で回答を求めた。QOLについては生活満足度(LSIK)、抑うつについてはGeriatric depression scale15項目短縮版(GDS-15)を用いた。【結果】性、年齢、教育年数、初回調査の各炎症性マーカー、既知の交絡要因[慢性疾患保有数、喫煙歴(現在ありvs.なし)、手段的自立得点(5点vs.4点以下))を統制後に4年後にIL6が高値(2pg/mL以上)となることのOdds比(OR)は健康度自己評価が1カテゴリー劣化することに1.64(95%信頼区間:1.01-2.65)であった。同様に白血球数が高値(5000/mm^3以上)となることのORはLSIKが1点上昇ごとに1.22(95%信頼区間:1.02-1.46)であった。【結論】地域在宅高齢者においてSRHやLSIKなど心理変数は既知の交絡要因を統制後も4年後の一部の炎症性マーカーの変化を予測した。
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Research Products
(8 results)