2009 Fiscal Year Annual Research Report
破局的ストレスへの治療的対応としての共感の機序解明
Project/Area Number |
20390191
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Research Institution | National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East |
Principal Investigator |
内富 庸介 National Cancer Center Research Institute and Research Center for Innovative Oncology, National Cancer Center Hospital East, 精神腫瘍学開発部, 部長 (60243565)
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Keywords | 医療行動学 / 生理 / 学習・行動分析 / 非侵襲的脳活動計測 |
Research Abstract |
本研究は、悪い知らせを伝える際の医師の共感能力を認知的側面・生理的側面・行動的側面から多面的に評価することによってその機序を明らかにし、共感能力の向上に最適な介入法を開発することを目的とする。2009年度は、患者の情動が変化したときの医師の共感行動と皮膚電気抵抗などの精神生理反応との関連について検討した。対象はがん医療に携わる医師20名であり、模擬患者に対して難治がんの病名告知を行う医療面接を実験課題とする。模擬患者は面接時にあらかじめ決められた怒りや悲しみなどの情動を表出する。調査項目は、1)課題中の皮膚電気抵抗(SCR)、2)課題中の共感行動(RIAS日本語版)、3)医師の特性的共感(IRI日本語版・JSPE日本語版)、4)医師の社会的背景である。解析に先立ち、面談を撮影したビデオを用いて、第三者2人が独立してRIAS日本語版に基づき医師の面談時の行動を評定する。その後、患者の情動表出時の医師のSCRと共感行動の数に関して相関分析を行う。次に、医師の特性的共感(IRI日本語版・JSPE日本語版)と医師のSCRの関連について、相関分析、および共分散分析を行う。現在、20名分のデータ収集が終了し行動評定に関する解析を進めており、終了後結果をまとめ論文として報告する。 また、次のステップとして機能的磁気共鳴法(fMRI)を用いて客観的に医師の認知的共感を評価するシステムを構築することを予定しており、課題として用いる「悲しみ」「怒り」の感情の表情映像(各映像2.5秒)を準備した。
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