2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20390205
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
青柳 豊 Niigata University, 医歯学系, 教授 (00142266)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内海 利男 新潟大学, 自然科学系, 教授 (50143764)
大越 章吾 新潟大学, 医歯学系, 講師 (70231199)
須田 剛士 新潟大学, 医歯学系, 助教 (10361916)
|
Keywords | フコース転移酵素 / 肝細胞癌 / フコシル化AFP / FUT8 / 糖鎖 |
Research Abstract |
α1-6フコース転移酵素(FUT8)は、肝癌の生物学的悪性度の指標とされるフコシル化AFP産生に関与しているが、その機序の分子機構は解明されていない。肝癌細胞を用いてRNAiの手法によりFUT8遺伝子発現を抑制し、細胞増殖や細胞浸潤能および糖鎖構造の変化に対する基礎的検討を行なった。 【結果】肝癌細胞株にTransientにFUT8 siRNAを48時間導入しFUT8 mRNA発現量をリアルタイムPCRで確認した。Control SiRNA導入における発現量を100%として算出した結果、最大5.3±0.1%にFUT8 mRNA発現が抑制された。更に、細胞培養液上清のフコシル化AFP分画の有意な低下(p=0.0072)を認めた。2種の抗FUT8抗体を用いウエスタンブロットを行い細胞蛋白抽出液中FUT8蛋白の確認を試みたが、FUT8およびControl SiRNA導入細胞いずれにおいてもFUT8蛋白は確認できなかった。次にα1-6フコースに特異性の高いLCAレクチンを用いてレクチンブロットを行ったが、FUT SiRNA導入細胞でのLCA結合性糖蛋白の有意な低下は確認できなかった。更に、FUTおよびControl SiRNA導入細胞を細胞質画分と細胞膜・オルガネラ画分とに分け、LeeChip ^<TM>Ver1.0を用いて糖鎖プロファイリング解析を行った。結果、フコース認識レクチンであるLTL、PSA、LCA、AOL、TJA-IIにて両画分ともに、Control SiRNA導入細胞に比し、FUT SiRNA導入細胞でコアフコースの発現率が僅かに増加していることが確認された. 【考察】RNAiの手法で、明瞭なFUT8遺伝子発現抑制を認めたが、細胞内フコシル化蛋白の低下は確認できなかった。今後は、HPLCでFUT8の酵素活性を測定し、RNAiによるmRNA発現抑制と実際の蛋白酵素活性の変化を確認する予定である。
|
Research Products
(25 results)