2008 Fiscal Year Annual Research Report
インバースアゴニストによるアンジオテンシンII受容体活性抑制の分子機構
Project/Area Number |
20390218
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
赤澤 宏 Chiba University, 大学院・医学研究院, 寄附講座教員 (20396683)
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Keywords | シグナル伝達 / 循環器・高血圧 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究の目的は、メカニカルストレスによって誘導されるアンジオテンシンII(AngII)1型(AT1)受容体の構造変化や細胞内シグナルの時間的、空間的なダイナミクスを明らかにし、AT1受容体プロッカーの化学構造とインバースアゴニスト活性との因果関係を解明するとともに、臓器保護作用におけるインバースアゴニスト活性の重要性を明らかにすることにある。ARBはビフェニルテトラゾールリング構造を基本骨格としているが、側鎖構造に薬剤特異性が見られる。ARBであるオルメサルタンの化学構造とインバースアゴニスト活性の関連性について、(1)活性型変異体の自律的活性に対する抑制効果と(2)伸展刺激による受容体活性化に対する抑制効果を指標に検討を行った。 オルメサルタンは活性型変異体の自律的活性と伸展刺激による受容体活性化の両者に対して強いインバースアゴニスト活性を示したが、イミダゾールリングに存在するカルボキシル基と水酸基を欠失する誘導体はインバースアゴニスト活性を示さなかった。また、活性型変異体の自律的活性の抑制には、オルメサルタンの水酸基とATI受容体のTyr113、カルボキシル基とLys199およびHis256との問の相互作用が必要であるが、伸展刺激による受容体活性化の抑制にはさらにテトラゾールリングとGln257との相互作用が必要であることが、構造機能解析により明らかとなった。伸展刺激にともなう受容体の構造変化は部分活性型の構造と異なっていることが既に示されており、インバースアゴニストは複数の特異的な薬剤一受容体問の相互作用を介して受容体を不活性型に保持していていることが示唆された。
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Research Products
(9 results)