2010 Fiscal Year Annual Research Report
インバースアゴニストによるアンジオテンシンII受容体活性抑制の分子機構
Project/Area Number |
20390218
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
赤澤 宏 大阪大学, 医学系研究科, 特任講師(常勤) (20396683)
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Keywords | シグナル伝達 / 循環器・高血圧 / 細胞・組織 |
Research Abstract |
本研究の目的は、メカニカルストレスによって誘導されるアンジオテンシンII(Angll)1型(AT_1)受容体の構造変化や細胞内シグナルの時間的、空間的なダイナミクスを明らかにし、AT_1受容体ブロッカーの化学構造とインバースアゴニスト活性との因果関係を解明するとともに、臓器保護作用におけるインバースアゴニスト活性の重要性を明らかにすることにある。Transient receptor potential(TRP)チャネルは6回膜貫通領域を有する非選択的陽イオンチャネルであるが、ほ乳類では6つのサブファミリーに分かれている。そのうちTRPCチャネルは伸展刺激により開口することが示唆されている。そこで、AT_1受容体とTRPCチャネルとの相互作用を免疫沈降法により検討を行った。HEK293細胞にFLAGタグで標識したAT_1受容体とHAタグで標識したTRPC1, 3, 6を共発現させ、蛋白質を抽出し、抗FLAG抗体で免疫沈降した後に抗HA抗体でブロットしたところ、AT_1受容体はTRPC1, 3, 6のいずれとも複合体を形成しうることが明らかとなった。また、AngII刺激および伸展刺激の前後で複合体形成は量的に変化しなかったが、AT_1受容体とTRPCチャネルはこれらの刺激に対して相加的にカルシウム依存的転写因子NFAT(nuclear factor of activated T-cells)の転写活性を上昇させた。したがって、伸展刺激感受性のAT_1受容体とTRPCチャネルはベースラインで相互作用しており、何らかの機序で機能的に共役している可能性が示唆された。
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Research Products
(11 results)