2010 Fiscal Year Annual Research Report
RAMPによる代謝、血管制御メカニズムの解明と、代謝異常、血管合併症治療への展開
Project/Area Number |
20390221
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
新藤 隆行 信州大学, 医学系研究科, 教授 (90345215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 敬之 信州大学, 医学系研究科, 准教授 (80317825)
下澤 達雄 東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (90231365)
村田 敏規 信州大学, 医学部, 教授 (50253406)
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Keywords | アドレノメデュリン / RAMP / 生活習慣病 / 血管 / 治療 |
Research Abstract |
アドレノメデュリン(AM)は、全身の組織で広範に産生され、多彩な生理活性を有するペプチドである。AMは当初、強力な血管拡張作用を有する降圧物質として注目されたが、その後の研究から、血管拡張作用にとどまらず、抗酸化作用、抗炎症作用、抗血栓作用、抗動脈硬化作用など、生体内の恒常性維持において、重要な様々な生理活性を持つことが明らかとなってきた。我々は、AMホモノックアウトマウス(AM-/-)を樹立し、AM-/-が血管の発生異常により胎生致死であることから、AMが血管新生作用を有することを報告した。AMと、その一連のファミリー因子の受容体であるCRLRには、これに重合する複数の受容体活性調節タンパク(RAMP)が存在する。我々は、一昨年度までの研究で、血管の発生におけるAMの生理作用が、主としてRAMP2により制御されることを報告してきた。 本年度の研究では、AM-RAMP2系の代謝制御における意義を検討するため、成体が得られるRAMP2ヘテロノックアウトマウス(RAMP2+/-)マウスに対し、高脂肪食負荷実験を行った。RAMP2+/-では、高脂肪食負荷時、野生型に比較して、体重増加、内臓脂肪重量の増加、血中インスリン値の上昇、糖負荷試験における耐糖能の悪化が認められた。RAMP2+/-では、内臓脂肪における炎症性サイトカイン、ケモカインの発現亢進と、アディポネクチンの発現低下を認め、脂肪組織における慢性炎症が、肥満や耐糖能異常の一因になっていることが推測された。 以上から、RAMP2ノックアウトマウスで、AMノックアウトマウスに認められる重要な代謝系、血管系の表現型が再現されることが確認された。逆に、RAMP2を標的とすることで、AMの生理作用を制御できる可能があり、RAMP2は、AMに代わる治療標的となる可能性がある。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Adrenomedullin in sinusoidal endothelial cells play protective roles against cold injury of liver.2010
Author(s)
Iinuma N, Sakurai T, Kamiyoshi A, Ichikawa-Shindo Y, Arai T, Yoshizawa T, Koyama T, Uetake R, Kawate H, Muto S, Tagawa Y, Miyagawa S, Shindo T
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Journal Title
Peptides
Volume: 31
Pages: 865-871
Peer Reviewed
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