2010 Fiscal Year Annual Research Report
心筋胎児型イオンチャンネルの発現制御機構と新規心不全治療標的としての意義の解明
Project/Area Number |
20390224
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
桑原 宏一郎 京都大学, 医学研究科, 講師 (30402887)
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Keywords | イオンチャネル / 心不全 / 転写調節 / 不整脈 |
Research Abstract |
本研究では不全心におけるイオンチャンネル遺伝子発現変化にかかわるストレス応答経路の分子機序と、これらイオンチャンネルの心不全・突然死の発症・進展における役割を明らかにし、新たな心不全治療標的の同定と治療法の開発を目指している。本年度は以下の研究を行なった。(1)-昨年度に開発したHCN2心筋特異的トランスジェニックマウス(Tg)の解析をさらに行い、このマウスがイソプロテレノール刺激に対して野生型マウスと比較して有意に多く心室性不整脈を発症することを見出し、HCNチャネルの発現増加が不整脈増加に関与しうることを明らかにした(投稿準備中)。(2)我々の開発した拡張型心筋症・突然死モデルであるdominant-negative NRSF TgにHCNチャネル阻害薬を投与したところ、不整脈が減少し、死亡率が改善することを見出した。上記HCN2-Tgの結果と合わせて、HCNチャネル阻害がその心拍数減少作用とは独立して心室性不整脈の予防作用を有する可能性が示唆された(現在投稿準備中)。またTRPCチャネルがANP-GC-A-cGMP経路により負に制御されていることを新たに見出し、さらにTRPC阻害薬が複数の病的心肥大モデルの心肥大を抑制することを見出し、報告した。(3)胎児型イオンチャネル発現制御因子NRSFの機能調節機序を探るために、Yeast two-hybrid screeningを行ない、Zfp90という分子を新規NRSF結合分子として見出し、解析を行った。Zfp90はNRSFのDNA結合領域に結合し、そのDNA結合を阻害することでNRSFの転写抑制機能を阻害することを見出した。またZfp90が病的心において発現亢進することを見出し、Zfp90が病的心におけるNRSFの転写抑制機能低下に関与し、胎児型イオンチャネル発現亢進に関与する可能性を明らかにし、報告した。
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Research Products
(19 results)