2008 Fiscal Year Annual Research Report
糖鎖不全IgAに対する新規受容体の同定と解析によるIgA腎症発症機序の解明
Project/Area Number |
20390234
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
成田 一衛 Niigata University, 医歯学系, 准教授 (20272817)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂爪 実 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (70334662)
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Keywords | IgA腎症 / 糖鎖不全 / 受容体 / メサンギウム細胞 / クローニング |
Research Abstract |
本研究の目的は、IgA腎症の病因に直結していると考えられているヒンジ部糖鎖不全IgA1分子が全身血中に存在するにもかかわらず、何故糸球体メサンギウム細胞にのみ特異的に沈着するのかを明らかにすることである。申請者らは、糖鎖不全lgAに親和性を有する新規受容体がメサンギウム細胞に発現することを観察している。そこで、この新規受容体の同定とその発現調節機構の解析をおこない、臨床的意義を明らかにする。 糖鎖不全IgA1プローブは正常血清からIgAを精製し、Neuraminidase処理にて脱シアル化を行い、続いてβ-galactosidase処理にて脱ガラクトシル化を行う。酵素処理の有効性は、末端Galβ1-3 N-acetylgalactosamine(GalNAc)残基および末端GalNAc残基にそれぞれ特異的に結合するbiotin標識peanut agglutinin lectinおよびVicia Vilosa lectinを用いたlectinblottingにより確認した。ヒトメサンギウム細胞を様々な条件下で培養し、上記の糖鎖不全IgA1に特異性を示す受容体が発現する条件を決定した。さらに他のサイトカイン、成長因子、血管作動性因子などの影響も検討し、最もスクリーニングに適した培養条件を検索した。次に糖鎖不全IgA1に親和性を示すメサンギウム細胞をCell sortingにて濃縮し、決定された至適培養条件下で得られたメサンギウム細胞を、細胞表面をbiotin化した後にNP-40を用いて可溶化し、セファロースビーズに共有結合で結合させた糖鎖不全IgA1とともに反応させ、糖鎖不全IgA1と結合する可溶成分を吸収した。得られたIgAと可溶成分の複合体をSDS-PAGEにて展開し、PVDF膜に転写した後、HPR標識抗biotin抗体を用いて、糖鎖不全IgA1と結合したメサンギウム細胞膜蛋白を同定する。得られた蛋白質のアミノ酸シークエンスを行い、一部のアミノ酸配列を決定した。
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