2010 Fiscal Year Annual Research Report
FGF23/klotho/リンセンサーを介したリン代謝ホルモンの同定と機能解明
Project/Area Number |
20390236
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宮本 賢一 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (70174208)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辰巳 佐和子 徳島大学, 大学院・ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (80420545)
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Keywords | リン / 腎臓 / 腸管 / クロライド / ノックアウトマウス / トランスポーター |
Research Abstract |
本研究は、リン代謝調節機構の中核をなすリンセンサーによるリン感受機構の全貌を解明すること、さらにリンセンサーからのシグナルを伝える新規リン代謝ホルモン群の機能を明らかにすることで、新しいリン代謝系を司るネットワーク分子によるシグナル伝達系の解明を目指した。平成22-23年度は、細胞膜上におけるリンシグナル制御因子を明らかにする為に、NaPi-IIa/NaPi-IIcのW-KOダブルノックアウトマウスを解析し、腎臓において発現する新しい細胞膜蛋白を同定した。この蛋白質はCLCAファミリー(CLCA6)の属し、細胞膜部分で切断を受けて、液性因子として機能している可能性が示唆された。そこで、本年度はCLCA6について、その機能解析を行なった。CLCA6は、腸管に発現しておりリン負荷により、その蛋白量が増大した。一方、腎近位尿細管のCLCA6は、細胞内に局在しており、切断後、細胞外に分泌されるこが明らかになった。Xenopus oocytesにおけるNaPi-IIaおよびPiT2とCLCA6の共発現では、NaPi-IIaに対しては機能抑制、一方、PiT2に対しては機能亢進を引き起こした。また、W-KOマウスの腎臓ではCLCA6の機能が残存するリン輸送能亢進に寄与している可能性が示された。このように、腸管上皮細胞および腎近位尿細管細胞においてCLCA6はリン代謝制御に関与する分子と考えられた。
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Research Products
(37 results)