2010 Fiscal Year Annual Research Report
胚性幹細胞からの中間中胚葉及び腎臓前駆細胞の誘導と単離
Project/Area Number |
20390237
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西中村 隆一 熊本大学, 発生医学研究所, 教授 (70291309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡 熊本大学, 発生医学研究所, 助教 (10321944)
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Keywords | 幹細胞 / 腎臓発生 |
Research Abstract |
腎臓は中間中胚葉という組織から発生し、そこから前腎、中腎が形成され、さらに後腎間葉という前駆細胞集団が派生し、それが糸球体足細胞、近位及び遠位尿細管に分化していく。本計画は、胚性幹細胞(ES細胞)から腎臓の起源である中間中胚葉及び前駆細胞である後腎間葉を誘導することを目的とした。まず、生体内での中間中胚葉及び後腎間葉の遺伝子発現及び機能を検討するために、この2つの細胞集団がともにGFPで蛍光発色するマウスをノックインの手法を用いて作成した。GFP陽性細胞を発生の各段階で単離し、マイクロアレイで解析することによって、2つの集団に共通するあるいは異なる遺伝子群を同定した。またWnt4発現フィーダー上で培養する機能アッセイでは、胎生9.5日以降ではコロニーを形成する腎臓前駆細胞が存在するものの、8.5日の中間中胚葉からは検出されないことが明らかとなった。一方、上記マウスを作成するもととなったES細胞からも、試験管内でGFP陽性細胞を誘導する条件を見いだした。しかしコロニーは確認されなかったため、現時点ではおそらく8.5日相当までの誘導に留まっていることが示唆された。胎生8.5日と9.5日の間に腎臓への分化に向けて大きな変化が起きるため、この1日間に生じる現象を詳細に解析中である。この過程を試験管内で再現することができれば、ES細胞からの腎臓前駆細胞誘導に向けて大きく前進するはずであり、今後も注力する計画である。
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