2009 Fiscal Year Annual Research Report
プロスタシンのよるアルドスデロン産生誘導の分子機構の解明と創薬基盤の開発
Project/Area Number |
20390238
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
冨田 公夫 Kumamoto University, 大学院・生命科学研究部, 教授 (40114772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北村 健一郎 熊本大学, 医学部・付属病院, 講師 (10304990)
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Keywords | 高血圧 / ナトリウム / プロスタシン / プロセッシングエンザイム / セリンプロテアーゼ |
Research Abstract |
腎臓におけるNa再吸収と高血圧症の強い因果関係が示唆されている。腎臓でのNa再吸収においてとりわけ重要な働きをしているのが上皮型Naチャネル(ENaC)である。私たちはラット腎臓よりプロスタシンというセリンプロテアーゼを単離し、プロスタシンがENaC活性を増強することを証明し、プロスタシンが食塩感受性高血圧症の発症に重要な役割を果たしている可能性を提唱してきた。更に、組換えプロスタシンタンパク質をラットに持続静注しでプロスタシンによるアルドステロン産生誘導について検討し、副腎のCYP11B2および血漿aldosterone濃度の増加、ヒト副腎皮質腺腫細胞(H295R cell)においてプロスタシンによりaldosterone産生の増加を確認した。 本年度は、aldosteroneにより活性化される上皮型Naチャネル(ENaC)の動態を食塩感受性高血圧のモデルであるDahl食塩感受性高血圧(DS)ラットにおいて検討した。DSラットに高塩食を投与すると正塩食と比べ、血液中のアルドステロンは抑制されたが、ENaCβγサブユニットのmRNA・蛋白の発現元進とγサブユニットのshiftの元進を認めた。食塩負荷DSラットでは尿中のプロスタシン排泄は尿蛋白の増加と共に増加しており、高血圧に伴う糸球体障害のため血液中から尿中へ漏出したプロスタシンがγサブユニットのshift元進の原因と考えられた。 食塩感受性高血圧のモデルラットにおいて、プロスタシンの関与が推察された。
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